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(Boulder)vol.10 アメリカはグリーンにチェンジするか?

  • 2009年2月19日

革命か、クリシェか?「グリーン・カラー・ジョブ」

ボールダーセントラルパークの集会の様子
ボールダーセントラルパークの集会の様子
ボールダーセントラルパークの集会の様子 by Cliff Grassmick Daily Camera
 オバマ大統領の就任演説が行われる2日前の日曜日、ボールダーのセントラルパークには数百人の市民が集まり、自分たちが選出した新大統領と、彼の「更にグリーンな未来」という公約への期待と支持を改めて表明した。
 非営利団体は代替エネルギーやエコ・カー、グリーンな社会基盤に関する情報を積極的に交換し、地元コロラド州の政治家達もメッセージを寄せ、小さなパレードがダウンタウンを行進した。イベントに集まった人々が撮影したこの日の集合写真はホワイトハウスに贈られ、ボールダーが「グリーン・カラー・ジョブの創出、拡大」という公約(以下、「グリーンカラー革命」)を強力にサポートして行くという意思表明を行った。

 「グリーン・カラー・ジョブ」は、まだまだ新しい言葉でその定義も広い。風力発電装置のタービン溶接工を指すこともできれば、非営利団体の植林活動や電動スポーツカーの発明をも言い表すことだってできる。それがどんな内容の仕事でも環境保護に寄与してさえいれば「グリーンカラー」に分類される。ブルーやホワイトだけではなく、その両方の色の職種の中から生まれたグリーンという色で表現される職域が登場して来たのである。


「ブルーカラー」から「グリーンカラー」へ

weatherizationするボールダーの建築業者
weatherizationするボールダーの建築業者
古い建物の窓を断熱性の高いものに改修し、"weatherization"するボールダーの建築業者 by Boulder Green Building Guild
 かつて「ブルーカラー」と呼ばれた建設業の多くは今、「グリーン」に変わりつつある。一つの例として、エネルギー効率を上げるために既存建造物を改築する傾向が挙げられる。
 2008年11月、ボールダー郡は、自宅に何らかのエネルギー効率改善のための工事を施したいと思っているあらゆるハウスオーナーに郡から直接貸付け金を提供する「Climate Smart Loan」プログラムと呼ばれる発議を議会で通過させた(詳細は未定だが、一般金融機関よりも低金利で市民が利用し易い貸し付けとなる予定である)。この貸し付けは建物の断熱性を強化したり、古い窓をより高性能なものに取り替えたり、ソーラーパワーなどのクリーンなエネルギーを生み出すための装置を導入したりする際に利用できる。

 建物の改装修理のようなこれらの新しいグリーン・カラー・ジョブについての素晴らしい点は、特殊なトレーニングをあまり必要とせず、現在失業中の労働者や年若い世代にも適合しやすいということだ。オバマ大統領は既存の公共建造物や商業施設、個人住宅を「renovation(修復)」もしくは「weatherization(注1)」という方法で改善することで、新たに250万人分の雇用を創出できると見込んでいる。

注1:weatherization=「weather(気候)」と「-ization」を併せた造語。建物の構造を気候条件に対してエネルギー効率の高い設計にすること。決して新しい言葉ではないが、オバマ大統領が使用したことにより改めて脚光を浴びている。


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