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Vol.29 子育てを楽しむコツ
子育て研究家/新井美里さん

  • 2016年12月21日
  • NPOローハスクラブ

1歳を過ぎてから始まる、ママの「怒り」という感情

一歳の親子向け子育てはじめて講座  1歳を過ぎた赤ちゃんのママたちの悩みはどう変わるのでしょうか?
 0歳の時は成長・発達や、日々の向き合い方といったママ側の認識を変えることで解決する悩みでしたが、1歳を過ぎるママたちの悩みは子ども側にも変化を必要とする「しつけ」と「怒り方」に集中してきます。ママたちからはこんな言葉がよく聞かれます。
・怒り方が分からない
・しつけと怒るの違いが分からない
・怒っても(子どもは)ヘラヘラしている
・言うことを聞かない
 1歳過ぎたあたりからの赤ちゃんは、0歳の頃よりも「身体の自由」と「好奇心」が生まれてきます。
 例えば歩けるようになった赤ちゃんは「人生で初めて歩けること」が楽しくて仕方がありません。どこまでもヨチヨチと歩いていきます。赤ちゃんは「人」や「物」にぶつかることを気にせずにどんどん歩いていくので、それを見ているママは「ハラハラ」してしまいます。そこではじめて「しつけをしなきゃ」「危ないから怒らなきゃ」という感情が湧いてきます。
 家の中でも今まではねんねやハイハイなど、赤ちゃんの活動範囲が低い場所が多かったので、その場所さえ気を付けて危ない物を置かないなど環境を整えていれば問題なかったのに、1歳すぎると机の上にあるものを手にしたり、口に入れたり、キッチンや階段など赤ちゃんにとって危険な場所に興味を持ちます。ママの予想を超える行動、ママにとって「それは嫌だ」だと思うような行動が増えていきます。なぜなら1歳過ぎたあたりから赤ちゃんは「身体の自由」と「好奇心」が生まれてくるからなのです。
 ここで赤ちゃんの気持ちを考えてみると、決して赤ちゃんは「ママを困らせてやろう」なんて気持ちで机の上のものを落としたり、キッチンに入ってお皿を触ったりしているわけではありません。赤ちゃんにとってはただ「身体の自由」と「好奇心」による行動です。
 しかし大人はその行動を見ると驚きと同時に「こんなことをすると危ない、困る」と思い注意しますが、赤ちゃんが思い通りにならず怒りの感情が湧きあがり、つい怒ってしまいます。
怒ってしまうことで自己嫌悪になると同時に「怒る=しつけ」が必要という気持ちも湧いてきます。


しつけが必要な理由を知っていますか?

climbing  世の中には「しつけ」に関する書籍がたくさん出版されています。それだけ「しつけ」はどうやっていいか分からないと悩むママがたくさんいるわけです。
 しつけについての悩みをママたちから聞く時、私は必ず尋ねることがあります。「どうしてしつけが必要なんだと思いますか?」ママたちは大抵すぐには答えられません。きっとここに「わが子を怒っても言うことを聞かない」理由があります。
 「しつけ」は「自分と、他人のことを大切にするために必要なこと」です。
 わが家の長男が3歳の頃、スーパーから出たとたん、走って道に飛び出してしまう子でした。それを「しつけ」をしなければ長男は車にひかれてしまうかもしれません。
 他人を大事にすることは自分も他人から大事にしてもらうことです。だから保育園でお友達のことを叩かないように「しつけ」をする必要があるのです。
 こういった「しつけ」の目的が明確になれば、ママ自身が時には怒ってでも伝えなければいけないことと怒る必要のないことを判別できるようになります。自分の身を守るために必要な危険回避、他人を傷つけないための倫理規範はママも真剣に伝えようとするので「伝わり方」に違いがあり、赤ちゃんもしっかりとわかってくれます。

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