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Vol.24 阿蘇の草原を未来へつなぐ
LOHAS コンシェルジェ/奥山眞理子さん

  • 2013年2月1日
LOHAS コンシェルジェ/奥山眞理子さん

LOHAS コンシェルジェ/奥山眞理子さん

Profile
熊本県生まれ。熊本大学教育学部卒業。大学時代に約1年間、交換留学生として、米国イリノイ州立大学に留学。卒業後、公立中学校教諭として2年勤務後退職。11年間専業主婦。その後、教職に復帰。公立高校講師2年、私立の中高一貫校で8年間勤め、退職。2006年にLOHASコンシェルジェとなり、現在、熊本でロハスのコンセプトを広めるべく、マイペースで活動中。情報発信のためのホームページLOHASMATEを2010年から開設。

 

 今回ご紹介する奥山眞理子さんは、末娘の小学校入学を機に教職に復帰。年を追って多忙になる教育現場、放課後は会議や行事のための準備などに時間が割かれ、年々、生徒たちとの語らいの時間も取れなくなり、こんな毎日でいいのかなと疑問が…。復職してから10年勤めた後に、一年生から担任を受け持った生徒たちの卒業と同じ年に先生という職を卒業。
 仕事を辞めて時間の余裕ができ精神的に充実し、本当の意味で豊かな暮らしを実感するようになって1年が過ぎた2005年、LOHASと出会い、LOHASのことを学んでいくうちに潜在的に持っていた何かが呼び覚まされ、幸せな気持ちになっている自分がいたという奥山さん。地元、阿蘇の野焼きなどにも参加し、新たな気づきが・・・


マイバッグ普及のワケ…?

 2009年夏、奥山さんは約1カ月間東京に滞在して8月の終わりに熊本空港に無事到着、空港から行きつけのスーパーに直行しました。するとどうでしょう!スーパー内の光景が1ヶ月前のそれとはガラリと違っているではありませんか。ほとんどの買い物客が、マイバッグを持って歩いていたのです。理由は、奥山さんが留守にしている間にレジ袋が1枚3円と有料になったからでした。

 「その当時、すでに新聞やテレビのワイドショーなどでも、地球温暖化に関する話題とか、レジ袋1枚作るのに、原油がおちょこ1杯必要なので、エコなマイバッグを持って買い物を〜!と呼びかけたりして、それらのことを知っている人はかなり多かったと思うのですが、実際に行動する人はほとんどいなかったのです。しかし有料化になった途端、瞬く間にマイバッグ持参が普及してしまったのです。実際、喜ばしいことに違いありませんが、その時、私はショックを受けたのです。人間は3円で動くものなのだと…。言わば、レジ袋有料化は、行政主導型のトップダウン的アクション。自発的に、資源の大切さや持続可能な社会という観点から行動するする人はいないのかと、悲しくなったのです。想像力を持って、もっと子供たちや地球の未来に目を向けてもらいたいと思ったのです」と奥山さんは当時を振り返ります。


阿蘇の草原を未来へつなぐ

阿蘇の野焼き
阿蘇の野焼き

野焼きの後、一番先に咲く「黄スミレ」
野焼きの後、一番先に咲く「黄スミレ」
 体を動かす活動「阿蘇の野焼き支援ボランティア」「田んぼのオーナーになり農業体験」「地元の経済団体が主催する植林活動」などにも参加した奥山さん。

 熊本は、阿蘇山で有名ですが、実は、草原も日本一の広さ(23,000ヘクタール)を誇ります。この草原は手つかずの草原ではなく、人々が手を入れて、永永と保ってきた草原なのです。千年もの昔から、阿蘇では畜産が営まれてきました。野焼きは、家畜の餌となる若い草の芽吹きを促すため、また、草原の景観保持や水涵養のために欠かせないもので、毎年春の訪れにさきがけて行われる伝統的な作業なのです。
 また、阿蘇の草原は、阿蘇にだけしか生育しないハナシノブや、九州が大陸と陸続きだったことを示すヒゴタイなどをはじめ、蝶のオオルリシジミ(絶滅危惧種)など、様々な草原性植物や野鳥や昆虫が生息し、生物多様性の宝庫でもあります。
 しかし、近年は畜産農家の後継者不足や高齢化などが進み、これまで通り、草原の維持管理が困難になりつつあるため、市民が参加してそれを手伝っているのです。財団法人阿蘇グリーンストックが平成10年から始め、現在では、700名程がボランティア登録をしており、年間、述べ2,000名程が野焼き支援に参加しています。

 次ページでは、奥山さんも毎年参加している「阿蘇の野焼き支援ボランティア」での様子をご紹介します。

 

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