サイト内
ウェブ

第12回 元プロラリードライバー/髙岡祥郎さん
ラリーで世界中を走り回り、今度は超エコロジーな電気自動車を…

  • 2007年12月1日

イタリアは電気自動車先進国

 髙岡さんがこの車(電気自動車ジラソーレ)と出会ったのはイタリアのフィレンツェだった。

写真
写真 ジェノバでは、警察にも採用されたミニパトカー
 「フィレンツェの中心街は一般車の乗り入れが時間規制されており、特定の居住者と電気自動車しか乗り入れできないようになっています。音もなくスイスイと走っている2人乗りの電気自動車は、両サイドのドアに”Rent Me”と書かれたレンタカー。早速レンタカー屋に行き、借りて試乗してみると、ずいぶん静かで出足が鋭く、小気味良く走る。『へぇー、こんなのあるんだ』というのが第一印象で、今まで電気自動車とは無縁だった私には、ある意味ショックだった。そこでミラノ郊外にあるメーカーを訪ね、テスト用に1台の購入契約をし、日本に送る手配をしました。これが始まりです」。

 イタリアでは、すでに軽量小型の電気自動車が社会に定着し、環境に優しいタウンカーとして、また業務用車両として数多く走っています。ジェノバでは、警察にも採用され、可愛いミニパトカーが市内を軽快に走りぬけています。イタリアは電気自動車先進国であると言っても過言ではありません。

 「大きな車はデザインや個性を出すのが比較的易しいのですが、車は小さくなればなるほど、デザインも個性も出すのが難しい。それがデザインの本場イタリアの車を採用した理由の1つです。日本でのテストは都内や山間部など、いろいろなテストを自分自身で行いました」。


超エコロジー、実用的、お洒落な電気自動車「ジラソーレ」

 ジラソーレのコンセプトは“E-Car”「いい車」。E-はエコロジー、エコノミー、エネルギー、アース(地球)のEです。

写真
エコライフ・フェア2007でジラソーレを展示
写真
2人乗り電気自動車「ジラソーレ」
写真写真上/プラグとリチウムイオンバッテリー 写真下/大容量トランク
 ジラソーレはバッテリーに蓄えた電気でモーターを回転させて走るため、自動車からの排出ガスは一切なく、走行騒音もほとんどありません。そして、手軽に家庭用の100V電源コンセントから直接充電できるのです。約6時間の充電で120km走行することができ、夜間電力での電気代は約100円という安さです。さらに、夜間電力の有効活用にも役立っています。

 全長約2.3m、重さ420kgとかなり小型ながらも、最高速度は65km/hで、走り始めから40kmに達するまでのスピードは3.1秒と、移動手段としては十分な走行性能を持っています。

 ボディにはアルミ合金製スペースフレームを搭載して衝突安全性を確保し、緊急時には電力供給が停止する「不活性安全システム」を導入するなど、安全性をしっかり満たした車です。

 駐車スペースは通常の車の半分以下です。狭い住宅街の道も余裕で走行でき、350リッターの大容量トランクでちょっとしたお買い物もまったく問題ありません。

 加えてイタリアンデザインのおしゃれで魅力的な外観は、乗る人を楽しませてくれます。ジラソーレは環境に優しいだけでなく、“使える”車なのです。

 「日本では2007年8月に販売を開始したばかりで、まだあちこちで目にするほどにはなっていませんが、既にトライアスロン大会の先導車や大きな工場の構内で活躍しています。今後は、リゾート地における近隣移動手段や観光地のエコレンタカーとして、また、企業の営業車や広告宣伝カーとして、また個人の方にはお買い物や通勤等のタウンカーとしての利用を期待しています。1日も早くこの環境に優しい車「ジラソーレ」がみんなに愛されるエコカーとして街を走るようにしたいと思っています」。



インタビュー後記
モータースポーツの世界に長く身を置いた髙岡氏が電気自動車に懸ける夢とは何だろう。プラグインで走る電気自動車はどの様な性能なのだろう。そんな想いで取材に出掛けた。
自動車を知り尽くした髙岡氏のこだわりはジラソーレの随所に感じられ、良い部品を世界中から集め組み立てていく様は、最近のコンピュターの組み立てに似ている。電気自動車だから出来る新しい自動車の作り方なのかも知れない。試乗してみて立ち上がりの良さはレシプロでは感じられないスムーズさであり、タウンカーとして必要充分な性能を備えており、時代の期待に充分応えているものと感じられた。今後に注目したい。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。