■第1回 |
1947年生まれ。学習院女子短大卒業後、米国に渡る。アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン環境デザイン科卒業、UCLA大学院ファインアート科卒業(修士号取得)。近代的な椅子のデザインで有名な米国人デザイナー、チャールズ&レイ・イームズの事務所に勤務。才能を開花させ、サンフランシスコ日本総領事公邸、IBM本社のインテリアなどで高い評価を得る。92年、東京に『今井澄子デザイン事務所』を設立。現在は拠点を日本に移し、幅広く活躍中。
環境デザイナー・今井澄子さんは、IBMニューヨーク本社をはじめ、サンフランシスコ日本総領事公邸、ビバリーヒルズのブティック・フェンディ、東京ドームシティを手がけるなど、華やかなキャリアと才能の持ち主。グローバルな活躍をされている今井さんが考えるLOHASとは……早速伺ってみましょう。
--環境デザインとは、そもそもどういうものなのですか?
イームズの代表的チェアー、5つのキーワードは今でも大切にしている。今井澄子デザインの基本 |
「『虫の目』で身の回りをみていく。『鳥の目』で全体図を把握する。その『距離軸』と過去・現在・10年後・何百年先の『時間軸』を考えていく。これが私の環境デザインを考えていく基本です。美しい環境と豊かな生活を実現していくことを形で表す通訳、それを環境デザインと考えています」
--ホテル、オフィス、商店、住宅など、対象となるものによって違いはあると思いますが、今井さんが環境デザインを行う際に優先的に考える要素とは何ですか?
廃棄物の島として有名な四国の豊島・直島の廃棄物処理プロジェクト、工場、トラック、船舶の環境デザイン |
「クライアントがどうしたいのかという目的を、的確に伝えること、機能的であり、その場に集う人や働く人たちが楽しめるものを創ることを第一に考えます。そしてメンテナンスも大切な要素ですね。メンテナンスとは、清掃することではなくて、いかに使いこなしていくかということです。時間と費用を費やした大作も、利用者が使いこなすことができなければ何の意味もありませんから。建てる側も、利用する側も、みんなが愛情を持って大事に使いこなしていけるものを創ることが、環境デザインをするうえで大切だと思っています」