海外では意味が通じない和製英語40選 / (C)けんたろ/KADOKAWA
日常で使ったり耳にしたりする言葉の中には、実は意味を間違えて使っているものが意外にたくさんあったりします。例えば、「さわり」という言葉を「話の冒頭部分」と思っている人が多いですが、本来は「話の要点」を指します。
こうした身近な言葉にまつわる常識や雑学を、人気インフルエンサーのけんたろさんが分かりやすくまとめた図表が、「見るだけで覚えられる!」とXで大好評! 本記事では、誤解されやすい言葉、知っていると一目置かれる難読漢字、知っているようで知らない身近なモノの正式名称などを図表と解説で紹介します。
「なるほど、そうだったのか!」という発見や驚きを通して、言葉の知識が楽しく広がり深まります!
※本記事はけんたろ著の書籍『けんたろ式“見るだけ”ことば雑学辞典 図解とクイズで広がる教養』から一部抜粋・編集しました。
実は意味が伝わらない英語?な言葉
実は意味が伝わらない英語?な言葉 / (C)けんたろ/KADOKAWA
日常の中には、英語だと思っている和製英語や、英語以外の外来語由来の表現がたくさん潜んでいます。日本では通じても、海外で使うと全く伝わりません。そんな英語?な言葉を集めました。
■ディープキス
舌を絡ませるような濃厚なキスをディープキスと言いますが、これは伝わりません。正しくは、french kissです。日本では軽いキスのことを指すので真逆の意味合いです。
■ピアス
耳などに穴をあけてつけるアクセサリーですが、英語のpierceには「突き通す」という動詞の意味しかありません。正しくは、earringsもしくはpiercingです。逆に日本で言う「イヤリング」を伝えたい時はclip on earring です。
■ペットボトル
ペットボトルのペットとはPETのことで、合成樹脂であるポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)の略です。つまりPETを材料にしている容器なのでペットボトルと言います。しかし、これは日本のみの名称で海外では伝わりません。正しくは、plastic bottleです。
■アンケート
これ実はフランス語です。英語では、questionnaireです。
■リュックサック
これ実はドイツ語で、「後ろに背負う袋」を表します。英語では、backpackです。バックパッカーとかよく聞きますよね。
■ガソリンスタンド
スタンドには「売店」の意味があり、昔はガソリンをタンクローリーで移動販売していたことから「ガソリンの売店=ガソリンスタンド」となったようです。正しくはアメリカではgas station、イギリスではpetrol stationです。
■オーダーメイド
顧客一人一人の要望に合わせてモノを作ることをオーダーメイドと言いますが、正しくは、custommadeもしくはmade-to-orderです。ちなみに反対の意味の既製品を「レディーメイド」と言います。
■フロント
ホテルなどの受付をフロントと言いますが、英語のfront には「前」の意味しかなく伝わりません。正しくは、front deskもしくはreceptionです。
■サラリーマン
これはsalary(給料)+ man(人)、つまり給料をもらう人という意味で作られた和製英語です。正しくは、company employeeやoffice workerと表現します。
■モーニングコール
ホテルに電話で起こしてほしい時に頼むサービスですが、海外だと「午前中の訪問」と捉えられてしまうかもしれません。正しくは、wake-up callです。
■スキンシップ
育児などでも大事なスキンシップですが、英語圏ではかなり性的な意味合いを持つそうです。正しくは、physical contactです。
■クーラー
海外の人が聞くとクーラーボックスのことをイメージするそうです。正しくは、air conditioner です。
■アルバイト
実はドイツ語で「仕事」「働くこと」を意味します。第二次世界大戦中にユダヤ人を収容した強制収容所の門には“ARBEIT MACHT FREI” とあり、「働けば自由になる」を意味します。英語で正しくは、part-time job もしくはsidejob などです。
■マロン
実はフランス語。英語圏では料理で使われる材料を言う時しか使われないそう。英語では、chestnut です。
■クレーム
クレームはclaimですが、本来の意味は「主張する」「要求する」です。クレームをつける人を「クレーマー」とも言いますが、そのような英語は存在しません。正しくは、名詞ならcomplaint、動詞ならcomplainです。
■マスク
新型コロナの影響で着けるのが当たり前となったマスクですが、海外でマスクというと顔を覆う仮面を表すので伝わりません。正しくは、医療用という意味合いでsurgicalmaskと言います。
■シャーペン
これはそもそも「シャープペンシル」の略で日本独自の名称です。明治時代に日本に入ってきた時は「繰り出し鉛筆」と呼ばれていました。正しくは、mechanical pencilです。
■マンション
日本では中高層集合住宅のことをマンションと呼びますが、海外でmansionと言うとお金持ちが住んでいる豪邸を表すため誤解を招きます。正しくは、apartmentもしくはcondominiumです。
■フライドポテト
揚げているポテトということで一見正しく思えますが、海外でfried potatoと言うと丸ごと揚げたジャガイモと捉えられるかもしれません。正しくは、アメリカではfrench fries、イギリスではchipsです。
■タレント
テレビに出ている芸能人のことをタレントと呼びますが、英語圏でtalentは 「才能(のある人)」を表します。正しくは、celebrityやTV starなどです。
■コンセント
配線から電気を得るためのプラグ用差し込み口をコンセントと言いますが、これは和製英語です。明治時代頃、差し込み口とコードが一緒になったconcentric plugというものがあり、差し込む方をプラグ、差し込まれる方をコンセントと言うようになりました。英語でconsentと言うと「承諾」を表します。正しくは、outletやsocketです。
■ベビーカー
赤ちゃんを乗せて移動するのに便利なベビーカーは、海外の人が聞くとbaby carとなり子供が乗るおもちゃの車だと勘違いしてしまいます。正しくは、アメリカではstroller、イギリスではpramやbuggyなどと言います。
■ノートパソコン
そもそもパソコンが日本独自の略語で、正しくはpersonal computerです。PCは通じます。正しくは、膝の上に載るくらいの大きさということでlaptopです。ちなみにデスクトップは英語でもdesktopです。
■ナイーブ
純粋さや傷つきやすさを表す時にナイーブと言いますが、英語のnaiveの本来の意味は「世間知らず」「お人好し」などネガディブなイメージの単語です。正しくは、sensitiveやdelicateなどです。
■ソフトクリーム
渦巻き形のアイスクリームをソフトクリームと言いますが、海外の人が聞くと、柔らかいクリームと勘違いします。正しくは、soft serve ice creamです。ちなみにアイスと言うと氷となってしまうので併せて注意が必要です。
■アメリカンコーヒー
アメリカンコーヒーとは、広義の意味では浅煎りのコーヒー豆で淹れたコーヒーを指しますが、世間一般で認識されているのはドリップコーヒーのお湯割りではないでしょうか。ただこれらはどちらも日本での話で、アメリカ式のコーヒーという意味で作られた和製英語です。お湯割りの意味で伝えたい場合は、weak coffeeです。浅煎りを伝えたい場合は、light roasted coffeeなどになります。
■マイナスイメージ
英語ではnegative imageもしくはbadimageです。
■ホームページ
インターネット上でWebブラウザを開いた時に表示されるWebページを日本ではホームページと呼んでいますが、海外ではwebsiteと呼びます。また、特定のWebサイトへの入り口に当たるページのことを日本ではトップページと呼びますが、海外ではこれをhomepageと呼びます。
■ピーマン
これ実はフランス語でトウガラシを意味する“piment” から来ています。英語で、green pepper もしくはbell pepperです。
■ノルマ
実はロシア語で、日本で使われている意味と同じく「やらなければならない仕事量」を意味します。第二次世界大戦後に日本で広まったとされ、英語ではquotaと表します。
■ビジネスホテル
出張時などによく利用する割安のホテルですが、英語圏ではBusinessmanというと、CEOなどの偉い方を指すため少し高級なホテルを表します。飛行機のビジネスクラスと同じ理由です。正しくは、budget hotelもしくは単にhotelなどです。
■トイレ
英語でも「便器」「便所」を意味するのですが、下品なイメージを与えてしまいます。正しくは、restroomもしくはbathroomです。restroomは公共の場、bathroomは家の中のトイレを表します。
■シール
裏にノリがついているものをシールと呼びますが、海外の人が聞くと印鑑のことなどをイメージします。正しくは、stickerです。日本でもステッカーと呼ぶこともありますよね。
■ミシン
英語ではsewing machineと言いますが、幕末に日本にペリーが持ち込んで以降、このmachineの発音を「マシン」ではなく「ミシン」と読み違えたことからついた名前のようです。
■シュークリーム
実は語源はフランス語で「クリームの入ったキャベツ」という意味です。英語圏の人が聞くと、shoecream(靴磨き用のクリーム)と勘違いします。英語では、cream puffです。
■ゴールデンタイム
テレビの視聴率が高い19時から22時頃までの時間帯をゴールデンタイムと呼びますが和製英語です。正しくは、prime timeです。primeには「最高級」という意味があり、Amazon プライムなどよく聞きますね。
■スマート
体型が細身な方や態度が洗練されている方を「スマート」と言いますが、英語で“smart” と言うと「賢い」の意味となります。「スマートフォン」などはまさに「賢い電話」の意味です。細身であることを伝えたい場合はslim、態度が洗練されていることを伝えたい場合はurbaneやelegantなどになります。
■バージンロード
花嫁が教会で祭壇に向かって歩く通路をバージンロードと言いますが、これは日本の結婚式場業界がつけた和製英語です。英語圏でvirginはあまり口に出さない単語らしく、またroadも道路を表すため教会の通路を表現するのには不適切です。正しくは、wedding aisleです。
■レンジ
電子レンジのレンジはrangeから来ており「範囲」の意味の他に一応「(調理器具としての)レンジ」がありますが、英語圏では伝わりません。正しくは、microwave ovenで一般的にはmicrowaveと呼ばれているそうです。
■ドンマイ
ミスした相手を励ます時に「気にするな!」という意味で、“Don’t mind.” を略した言葉ですが、励ましの言葉では伝わらず、「構わない」という意味で伝わってしまいます。正しくは、“Never mind.”もしくは“Don’t worry about it.”です。
【著者】けんたろ
国公立大学院卒業後、営業マンとして社会人生活をスタート。趣味のクイズや読書を通じて言葉の奥深さを実感。「昨日よりちょっぴり賢いあなたへ」をモットーに、会話が苦手な方の話のネタや、勉強が苦手な方の興味を引く言葉の知識やクイズを発信中。Xフォロワー8.7万人(2024年11月時点)、メディア紹介多数。Voicyパーソナリティとしても活動。
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著=けんたろ/『けんたろ式“見るだけ”ことば雑学辞典 図解とクイズで広がる教養』