おせちの中身にはそれぞれどんな意味がある?10品分を紹介!【年末から年始のマナー】

  • 2024年12月26日
  • レタスクラブニュース
おせち料理の五段重。さて1段目には何を詰める?【年末から年始のマナー】
おせち料理の五段重。さて1段目には何を詰める?【年末から年始のマナー】 / Sixcube / PIXTA(ピクスタ)


華やかにお正月の食卓を彩るおせち。黒豆や数の子、紅白のかまぼこなど、多彩な料理が並びますが、これらは適当に重箱に詰めてよいわけではないんです。その順番、きちんと知っていますか? それぞれの料理に込められた願いや意味も、しっかり押えているでしょうか? 心許ない人のために、「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に解説してもらいました。

一の重にはおせちの代表でもある祝い肴を

おせち料理は、「めでたさを重ねる」という意味で縁起をかつぎ、重箱に詰めるのが習わしです。
本来は五段重ねの重箱を使うのが正式で、各重箱に詰める料理にも決まりがあります。

一の重:祝い肴(黒豆・田作り・数の子)、昆布巻など
二の重:口取り肴(栗きんとん、かまぼこ、伊達巻き)、酢の物など
三の重:鯛やブリ、海老などの海川の幸を使った焼きもの
与の重:サトイモやレンコンなど山の幸を使ったお煮しめ
五の重:年神様からの福を詰める場所として空にしておく。料理が足りなくなった場合に備え、補充用のものを入れておく場合もあり

お重の中身には縁起の良い意味や願いが込められているので、代表的なものを紹介しておきましょう。

<黒豆>
「まめに働き元気に暮らせるように」という意味で、一年の無病息災の願いが込められています。また、黒色は邪気をはらい災いを防ぐ魔除けの色とされていて、不老長寿をもたらすという意味も。

<田作り>
カタクチイワシの稚魚を素干しにしたもので、「ごまめ」とも呼ばれます。「五万米」と当て字をして縁起をかつぎ、五穀豊穣を祈願しています。

<たたきゴボウ>
関西では、黒豆・数の子・たたきゴボウが祝い肴とされ、地中に根を張ることから、「家の土台がしっかりするように」という願いが込められています。

ほかにも、
数の子:たくさんの卵があることから「子孫繁栄」を祈願
昆布巻:「こぶ」の語呂合わせで「喜ぶ」に。巻は「結び」を意味する縁起物
海老:「腰が曲がるまで」という長寿の願いが込められ、赤は魔除けの色でもある
伊達巻き:形が書物に似ていることから「知恵が増える」ことにつながる
きんとん:漢字で「金団」と書き、黄金色の財宝をイメージした金運上昇の縁起物
紅白かまぼこ:赤は魔除け、白は清浄を意味する
紅白なます:「お祝いの水引き」をイメージした、一家の平和への願いがこもる

このように、それぞれの料理にはおめでたい意味が込められています。
「日本は、言葉にはパワーが宿ると考えている言霊の国。料理一つひとつに込められた意味を知ると、ありがたみが増して、力が生まれてくると思います」(岩下先生)

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意味を知っているほうが、お料理の味わいも深くなりますよね。重箱を開けるときの楽しみも、より増してくる気がします。「今年もいい年になるように」という願いを込めながら、みんなで楽しくおせち料理をいただきましょう。



岩下宣子先生
岩下宣子先生

教えてくれたのは…
▶岩下宣子先生
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。

文=高梨奈々 


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