暑かった今年の夏。つい、麺などの単品で食事を済ませがちだったり、食事を抜いたりする生活が続いていた人は、もしかしたら、体内の「鉄」が不足しているかもしれません。
全身に酸素を運ぶなど、体内で大切な役割をするのが鉄。足りないと、疲れやすい、頭痛、気持ちが落ち込みやすいなど、さまざまな不調を招く原因に。
「鉄には2種類あり、肉や魚の赤身に多く含まれるヘム鉄と、野菜や豆類、海藻などに含まれる非ヘム鉄があります。
吸収率が高いのはヘム鉄ですが、栄養バランスを考えると、ぜひ非ヘム鉄もとりたいものです」(関口絢子さん)
おすすめの野菜のひとつが小松菜。非ヘム鉄はビタミンCととると吸収力が上がりますが、小松菜は非ヘム鉄もビタミンCも含む優秀な食材です。年中買いやすく、アク抜きなどの手間が不要。クセもないので、さまざまな料理に向くのも、うれしいポイント。
今回は、人気料理家・藤井恵さんに教わった、小松菜のレシピ2品をご紹介します!
栄養について教えてくれたのは
関口 絢子さん
管理栄養士、料理研究家。YouTube「管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン」で健康や美容に関する情報を発信中。著書に『春夏秋冬 疲れ取りごはん 心も体も軽くなる「食べ養生」大全』(KADOKAWA)など。
レシピを教えてくれたのは
藤井 恵さん
料理研究家、管理栄養士。女子栄養大学卒業後、料理番組、フードコーディネーターのアシスタントなどを経て、テレビや雑誌、書籍などで活躍中。素材の持ち味を生かした、シンプルでいて工夫のあるレシピに定評がある。
Instagram@fujii_megumi_1966
小松菜のかきたまスープ
献立に取り入れやすい、ササッと作れる汁ものは覚えておくと便利です。
材料(2人分)
溶き卵…1個分
小松菜…1/2わ(約100g)
にんにくの薄切り…1片分
サラダ油…小さじ1
だし汁…1と1/2カップ
塩…小さじ1/4
【作り方】
1 小松菜は2cm長さに切る。
2 鍋にサラダ油を中火で熱し、にんにくの薄切りを炒め、香りが立ったら1を加えて炒める。油がまわったらだし汁を加え、2~3分煮る。溶き卵を回し入れて塩をふり、卵がふんわりとするまで煮る。
(1人分65kcal/塩分1.0g/鉄1.6mg)
とりレバーと小松菜のガーリック炒め
ヘム鉄が豊富なレバーと、非ヘム鉄の小松菜を組み合わせた一品。にんにくでパンチをきかせた甘辛味で、ご飯が進みます!
材料(2人分)
小松菜…1わ(約200g)
とりレバー…150g
A
・しょうが汁…小さじ1
・酒…小さじ1
黄パプリカ…1個
にんにく…2片
B
・酒…大さじ1/2
・砂糖…小さじ1/2
・塩…小さじ1/3
・しょうゆ…小さじ1
片栗粉、サラダ油
作り方
1 レバーは脂肪や血のかたまりを包丁で除き、一口大に切る。氷水に約10分ひたし、ふり洗いをして水けを拭く。Aをもみ込み、約10分おく。
2 小松菜は5~6cm長さに切る。パプリカは縦半分に切り、縦5mm幅に切る。にんにくは包丁の腹で潰す。レバーの汁けを拭き、片栗粉大さじ1をまぶす。
3 フライパンに油大さじ1/2を中火で熱し、小松菜をさっと炒める。色が鮮やかになったら、いったん取り出す。
4 同じフライパンに油大さじ1を足して中火で熱し、にんにくを入れる。香りが立ったらレバーを加えて約3分炒める。パプリカを加えて小松菜を戻し入れ、Bを加えて炒め合わせる。
(1人分213kcal/塩分1.6g/鉄9.5mg)
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月経のある女性(18〜49歳)の鉄の摂取目標量は1日に10.5mg(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」厚生労働省)。毎日コツコツ、鉄がとれる食材を食事に取り入れましょう。
レシピ考案/藤井 恵 監修/関口絢子 撮影/広瀬貴子 スタイリング/浜田恵子 栄養計算/スタジオ食
編集・文/singt