「動画をずっと見せていてもいいのかな?」「ゲームをやめられない…」「いつのまにか課金してる⁉」
動画やゲームなどが生まれたときから身近にあるデジタルネイティブ世代の子どもたち。生活の中でその存在が大きくなるにつれ、親にとっては頭を悩ます存在にもなっていきます。
イラストレーター・アベナオミさん一家の日常を通して、子どものデジタルメディアとの付き合い方を、ネット・ゲーム依存予防回復支援サービスMIRA-i所長の森山沙耶さんがわかりやすく解説していきます。
可視化のすすめ
子どもが動画やゲームに熱中していることについて、はっきりとした理由がなくてもモヤモヤする原因で多いのは、
〇いつもだらだらやっている(見ている)
〇暇さえあればゲームやスマホを手にしている
という姿ではないでしょうか。そんなモヤモヤを解決する手段としておすすめなのは、子どもの生活を可視化することです。起床から就寝まで、いつもより意識して子どもの様子を観察し、簡単なグラフなどにしてみましょう。
子どもの本当の使用時間を可視化すると、思ったより使っていなかった、逆に思った以上に使っていた、だらだら遊んでいるが時間をまとめると1時間未満だった、などの気づきがあるかもしれません。
「思った以上に」とはどれくらい?
令和5年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」報告書(令和6年3月こども家庭庁)によると、平日のインターネットの平均的な利用時間は、小学生が226.3分、中学生が282.1分、高校生が374.2分でした(注)。
学校での利用のほか、天気予報や地図アプリ、連絡などの時間も含んでいるため、動画やゲームにどれくらい利用しているかは明確ではありません。ただ子どもの利用状況を可視化することで、自分の家にとって「思った以上に」がどれくらいなのかを改めて考えるいい機会になりますし、各家庭のルール作りにも役立つでしょう。
メリットとしては、可視化することで生活習慣の見直しができること。家族がだらだらと夜遅くまで起きている時間が子どもにとっての「スマホだらだらタイム」かもしれません。子どもが小さいうちは就寝時間をきちんと守ったり、家族みんなでデジタルメディアから離れる時間をつくったりするなどメリハリのある生活を心がけることで、無理をせずに使用時間が減る効果が期待できるでしょう。
(注)「インターネットを利用している」とは、サイトやコンテンツを見たり、文章を書き込んだりすることです。インターネットには、WEBサービス及びアプリケーションを含みます。
(例)電子メール、SNS、動画・音楽視聴、オンラインゲーム、電子書籍、ショッピングなど。
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生活のすぐそばにある、デジタルメディア。ただ禁止にするのではなく、どうやって関わっていくかを親子で考えることが大切ですね。
※本記事はアベナオミ著、森山沙耶監修の書籍『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』から一部抜粋・編集しました。
著=アベナオミ、監修=森山沙耶/『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』