日本の四季を彩る旧暦と二十四節気ゆかりの行事には、開運・良縁などを呼び、邪気や病を祓うヒントがいっぱい。今日は、「端午の節句」の日。菖蒲の霊力で邪気と災厄を祓う日です。日中に絶対にやるといいことをご紹介します。
5月5日の端午の節句には、菖蒲湯に浸かるならわしがあります。これは、菖蒲の香りにあやかる風習です。古くから、清々しい香気は、邪気や魔物を祓うと考えられてきました。
すらりと細長い菖蒲の葉から立ち上る芳香には、アサロンやオイゲノールといった成分が含まれています。これらには疲労回復や血行促進効果があり、疲れやストレスなど、心身の不調を整える助けにもなります。
菖蒲の香りをしっかりと感じるためには、お湯の温度が肝心。まず浴槽に菖蒲の葉を入れ、少し高めの湯を張ります。葉の香り成分は、熱いお湯により多く溶け出すからです。
入浴するのは適温になってから。湯の中で葉を揺らせばさらに香りが立ち、心身を温かく包み込みます。
「月初めの午の日」という意味をもつ「端午」は、古代中国で生まれた言葉です。やがて忌み月であった5月、さらには数字の重なる5月5日のみを指すようになりました。
端午には野外に出て薬草を摘んだり、菖蒲を浸したお酒を飲んだりして邪気を祓っていたそうです。
一方、日本には田植え前の5月ごろ、菖蒲やよもぎで屋根をふいた家の中で女性が身を清め、息災を願うお祭りがありました。
この風習と、奈良時代に伝わった端午の風習が混じり合い、菖蒲湯などの邪気祓いが生まれたと考えられています。
江戸時代ごろからは、菖蒲が「勝負」や「尚武」に通じることから、男の子の健やかな成長を願う節句へと変化しました。立身出世を願う鯉のぼりや五月人形が広まったのも、江戸時代以降のことです。
福を呼ぶ、日本の小さな行事を1年分たっぷり紹介。日本古来の二十四節気に寄り添って、縁起よく暮らすためのヒントが満載です。
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