「もし死んだらミームコインにしてくれたらうれしいな」
こう言い残して、Xのライブ配信中に銃に弾をこめロシアンルーレットをはじめた青年が、頭に銃弾を受けて死亡する事件が2月末アメリカで発生。青年を題材にしたミームコインが即発行され、みるみるうちに200万ドル(約3億円)もの価値に達する社会現象となりました。
亡くなったのはArnold Haroさん(23)。X上では@MistaFuccYouのハンドルでジョークを飛ばして、フォロワー1万人近くを確保する中堅インフルエンサーでした。ドラッグ歴や鬱気味なところもあったけど、お金に困っている家族に仕送りしてくる家族思いな子だったと遺族は語っています。
ただ、最近は一攫千金狙いのミームコイン投資にかなり入れ込んでいて、PUMP Fund(ワンクリックでミームコインを作成・発行して売買できるプラットフォーム) に入り浸りだったみたい。以下はXのタイムラインから浮かび上がってくる死亡前の様子なのですが…
死の1か月前の1月には家族からお金を借りてトランプコインに注ぎ込んで失敗。
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メラニア夫人のコインやトランプコインのコピーにまで山をはったのだけど失敗。
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最後に残った500ドルをカニエ・ウェストのコインに注ぎ込んで、それも失敗、無一文に。
このようにして「一世一代の財を築く」夢破れ、八方ふさがりになった末の自決だったようです。警察の調べでは、死の直前、メキシコのドラッグディーラーに売った車2台が盗難車だったことがバレて、殺すと脅されていたこともわかっています。
ブロックチェーン調査会社Chainalysisによると、トランプコイン($TRUMP)で1000万ドル(約15億円弱)以上ぼろ儲けしたアカウントは58個、損したアカウントは76万4000個。損した人のほうが圧倒的に多いので、似たような状況に追い込まれている人はほかにもたくさんいそうではありますよね…。
Haroさんにちなんだミームコインは配信後、先を争うように続々と発行されました。
中でも人気なのはXのハンドルとプロフィール写真をそのまま使った「Mistaコイン」で、何百人という人の手を渡って取引されていきました。
ただ、それで遺族が濡れ手に粟だったのかというと、決してそんな顛末ではなかったようです。
「遺族に送金する」とか「葬式代に充てる」とかいう噂とは裏腹に、遺族には1ドルも渡っていません。これはWSJ系ポッドキャストのThe Journalが遺族に直接確かめた話だから、たぶん本当。
遺族の手に残るんなら「これで家族思いの故人も少しは浮かばれるね」という納得感があるけど、人の不幸に乗って赤の他人が儲けようとしていただけなんです。
こんなの野放しでいいのかなと心配になりますが、コイン発行元のPUMP Fundは削除も介入もなし。こんな声明を発表するにとどまっています。
「Haroさんの事件は悲しい出来事です。PUMPは今回のニュースにちなんで第三者がクリプトトークンを作成・発行するプラットフォームであり、その範疇を越える一連の出来事については何らの役割も果たしていません」
いっぽう、ホワイトハウスではトランプコインで儲けたトップの投資家たちを22日のトランプゴルフクラブ晩さん会に招待して連日ニュースになっています。
当日集まるのは220人で、ホワイトハウスの内部を案内するオマケつき。明暗ありすぎですよね…。
Sources: The Journal, CNBC
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