私たちは本当に「薄いスマホ」が欲しいのか?

  • 2025年5月8日
  • Gizmodo Japan

私たちは本当に「薄いスマホ」が欲しいのか?
Screenshot: Gizmodo US via AppleTrack / YouTube

スマートフォンは年々退屈になってきています。

スペックと価格が上がる一方、生活必需品なので、わくわくよりも実用性を重視して買う。または必要だから惰性で選ぶものになっている今日このごろ。18年前に初代iPhoneが発表されたときの高揚感はもうありません。

折りたたみスマホの登場でちょっとワクワクしたものの、高額プロダクトの域を出ず、一般への普及は苦戦中。そこでスマホ業界の退屈を拭うため、テック企業が白羽の矢を立てたのが…薄さ。限界まで薄いスマートフォンです。

Apple(アップル)もSamsung(サムスン)も年内には激薄スマホを発表予定。SamsungはすでにGalaxy S25 Edgeをチラ見せしており、今月中旬にも発表されそう。

極薄スマホ「Galaxy S25 Edge」。5月13日発表が濃厚。日本での発売は? 公式チラ見せで事前アピールに余念がないSamsungの新端末Galaxy S25 Edge。薄さにコミットした端末になると言われています。4月16日に発表されると期待されてたものの急遽延期したとかなんとかゴニョゴニョしていました(真相は藪の中)。が、いよいよ発表されるようです。5月13日の発表が非常に濃厚!発表→地域限定リリース→グローバルリリース韓国メディアが報じたところによれば、Samsun https://www.gizmodo.jp/2025/04/galaxy-s25-edge-2.html

AppleはiPhone 17 Airのリリースが期待されています。

薄くなればスペックもダウン

Galaxy S25 Edgeも、iPhone 17 Airも、すでに噂やモック画像がリークされまくっており、その薄さはUSB-Cポートギリギリまで攻めています。

著名リーカーのエヴァン・ブラス氏の最新情報では、Galaxy S25 Edgeは5.8mm。同じく情報通のBloombergのマーク・ガーマン氏、アナリストのミンチー・クオ氏、ユーチューバーのUnbox Therapy情報では、iPhone 17 Airは5.5mmから6mm。iPhone 7 Airのモックアップを作り、既存端末や今年リリースされるだろうiPhone 17シリーズと比較する画像や動画も出ています。

Take a look at the sides of the iPhone 17 dummy — the Air model is unbelievably thin. pic.twitter.com/ixadQHuxK5

— Sonny Dickson (@SonnyDickson) April 24, 2025

薄いスマホで思い出すのは、2014年のiPhone 6。当時はズボンのバックポケットに入れていただけで、iPhoneが曲がった!とずいぶん話題になりました。薄さよりも曲がったことの方が注目度が高かったように記憶しています。

時は流れ、スマホのスクリーンは大きく、カメラはシングルからデュアル、トリプルへ。アプリはより性能の高いチップを必要とするようになりました。丸1日の使用に耐えるためにバッテリーは大きなものを搭載。その見返りにスマホは分厚くなりました。スマホメーカーは、ユーザーがこれなら欲しいと財布の紐を緩めるスマホを世に送り出してきました。

それがここにきて、薄いスマホ…。今までユーザーが欲しがってきた性能を下げても、薄いということにコミットしたスマホ。誰が要求したのでしょう? スマホは薄くて軽いのが正義だと思っている僕ですら、薄さにコミットし、それ以外の何かを犠牲にしたスマホが欲しいとは即答できません。

なぜなら、薄いスマホはカメラスペック低下を意味するからです。あくまで噂ですが、Galaxy S25 EdgeもiPhone 17 Airも、薄さ実現のためにカメラがシングルだといわれています。

バッテリーも小型化

確かに、ここ10年でスマホ関連のテクノロジーは大きく進化しました。シングルカメラでも、高い画質によって数パターンのズーム画像を撮影することができます。チップは電力効率UPと省エネ化が進み、一昔前のようにネットや動画を見るのに莫大なバッテリーを食うことはなくなりました。スペックダウンは、もしかしたらユーザー体験には大きく影響しないかもしれません。

それでも、どうしても、やっぱり気になるのはバッテリー。薄いスマホはきっと小さなバッテリーを意味するだろうと思うとモヤモヤします。重さと厚みを減らすには、どうしても大きなバッテリーは搭載不可能。薄さ実現のため、どこまでバッテリー持ちを犠牲にできるか、今、僕が気にしているのはそこです。噂通りスクリーンが6.6インチなら、ある程度の電力を食うでしょう。

噂を元に作成したiPhone 17 Airモックアップで、その薄さに驚愕するガジェット系インフルエンサーたち。はちゃめちゃに薄いと、確かに注目を集めています。しかし、その注目は続くのでしょうか? 一目見て「わー本当にすごく薄いね!」の後、購入につながるでしょうか。ユーザー体験はどれほど変わるでしょうか。

価格設定はどうなる?

実際に発売されるまで、販売台数、ユーザー評価による成功 or 失敗はわかりません。わかりませんが、その価格も大きく影響するだろうことは確かです。

現時点では、マーク・ガーマン氏はiPhone 17 Airを900ドル(約13万円)からと予想。iPhone 17とiPhone 17 Proのちょうど真ん中の価格だといいます。一方で、一部ではiPhone 17 Proよりも高くなるという予想もあります。Galaxy S25 Edgeはさらに高く、1200ドル(約17万円)からと予想の声が挙がっています。

価格高騰の世の中で、トランプ関税で不確かな市場で、「薄さ」にどのくらいの人が価値を感じるのでしょう。iPhone 17 AirもGalaxy S25 Edgeも、かなり厳しい戦いを強いられると思います。

何が言いたいかというと…薄さ以外に僕たちが欲しいものがあるということ。Oppo(オッポ)やXiaomi(シャオミ)のようなカメラを載せてほしい。iPhoneなら、Galaxy Ultraで採用されている屋外でもディスプレイが見やすいアンチグレアのディスプレイを載せてほしい。0%から100%の充電が10分で完了する超高速充電が欲しい。いっそのこと、取捨選択を徹底してもっと安価なモデルが欲しい…。

僕たちユーザーが欲しいのは、少なくとも「めちゃくちゃ薄い」だけのスマホではないと思うのです。

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