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富士山のゴミ問題 ~富士山の世界遺産登録が取り消される?~

  • 2015年3月18日
  • 緑のgoo編集部

質問:それでは、どのようにして、地元の人たちからの理解を得られたのでしょうか?
これまで地道に活動を続けてきたことに尽きると思います。
テレビや洗濯機に冷蔵庫など大きなごみが散乱した林道の現場、地面を掘れば掘るほど大量の缶や瓶が出てきた森の中の現場、弁当ガラの入ったレジ袋があちこちに落ちていた道路際の現場、発泡スチロールのかけらが大小問わず落ちていた海岸の現場、どんな現場にも、多くの人が全国から富士山をきれいにするために集まって、たくさんのごみを拾って拾って拾い続けてくれたことが、地元の皆さんにとっても、富士山がきれいになってきたという実感となって、「ありがとう」「ごくろうさま」という言葉と、活動への協力という追い風に変わったのだと思います。

質問:やはり継続的な活動と、それに伴う成果が大切ですね
とくに清掃活動は、「あきらめず最後の1個を拾うまで」という思いがあるのですが、やみくもにごみ拾いをするのではなく、効率的に実施するためにも、ごみの種類・地点・大体の量を地図に落とし込む「ごみマップ調査」を実施しました。
このごみマップを活用しながら、これまでに拾ったごみの総量は620トンです。
拾ったごみを種類別に集計し、その重量とともに毎回公表することは、参加者の満足度にもつながりました。

2014年からは「拾う・捨てない・捨てさせない」をスローガンに、再度ごみマップ調査を実施していて、以前のごみマップと照らし合わせることによって、きれいな状態をキープしている地点、いまだ捨てられやすい地点を把握し、そして捨てさせないためにできる施策を考える取り組みを始めています。

質問:以前、清掃活動に参加させていただいた際、家族連れの方や企業の有志で参加されている方々に出逢いましたが、そういった参加者は、清掃活動を通じて、どんなことを実感するのでしょうか?



赤ちゃんの頃から参加
現在7歳、赤ちゃんの頃からお父さんにおんぶされながら清掃活動に参加。月に1回色々な人たちと一緒にゴミ拾い活動を行うことが日常生活

毎月、定例クリーン活動を実施していて、参加者をホームページなどで募集しています。
それを見つけて、会社や趣味の仲間を集めて申し込みをしてくれたり、もともと一人で参加している方が、家族を連れて参加してくれたりと、様々な方が参加しています。

ありがたい事に参加者の多くはリピーターとなって何度も来てくれるのですが、現場でよく見かける光景があって、初めて来た方は「何でこんなに?何でこんなものがここに?何で?」と怒りながらごみを拾っているのですが、続けるうちに、昔懐かしいパッケージのごみを、宝物を見つけたように喜んだり、土の中から大量のごみを発見して拍手喝さいを浴びるヒーローが誕生したりと、次第に楽しみながらのごみ拾いに変わっていくのです。

そしていつの間にか、そばの人と協力し合って重いものを運んだり、細かいものを分別したり、一体感が生まれてきて、いつも最後にごみと一緒に集合写真を撮影するのですが、まさに「富士山きれいにしたぞー!!」という、とても充実した笑顔であふれています。
そこに、ちょっときれいになった達成感の共有や、時間内に拾いきれなかった物足りなさが加わって、次回の活動参加へとつながっているのだと思います。

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