化学メーカーの水素を活用してプール設備の電力を賄う
東芝は、このほど純水素燃料電池システムを総合化学メーカーのトクヤマから受注したと発表した。システムは100kWの大型で、このクラスの受注は同社では初めてだという。
電池システムはトクヤマが運営する山口県周南市のプールに設置される。トクヤマの苛性ソーダ工場で発生する水素を燃料として発電が行われ、プールの照明やポンプの動力、発電過程で生じる温水はシャワーの水を温めるボイラーに使用するなど、プール施設で消費する電力の大部分を賄うことができる見込みだ。
システムの納入は来年2月で、運転開始には3月が予定されている。
これまで未使用だった水素を活用する技術実証事業
今回の純水素燃料電池システムは、都市ガスなどから水素を抽出する「エネファーム」とは違い、水素を直接用いて発電する。このためCO2を排出せず、効率の高い発電が可能だ。
また今回採用された固体高分子を用いる電池は低温動作が可能なため、従来のりん酸を用いたタイプよりも起動停止がしやすく、短時間で再起動もできる。
総合化学メーカーのトクヤマは、これまで未使用だった水素を活用することで、より環境に優しい低炭素型社会の発展に向けての一歩を進める。この試みは環境省委託事業である「地域連携・低炭素水素技術実証事業」の一環だ。
(画像はプレスリリースより)
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東芝 リリース
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