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東大など、太陽光による水分解を効率化 「ナノコンポジット結晶」の開発に成功

  • 2016年6月10日
  • エネクトニュース
太陽光から水素を
東京大学は、6月3日、同大学物性研究所、名古屋大学、高エネルギー加速器研究機構などとともに、太陽光による水分解を高効率化する「ナノコンポジット結晶」を開発したことを発表した。

太陽光は、環境にやさしいエネルギー源の代表格。その太陽光からから変換した燃料のうち、「水素ガス」は、最もクリーンなエネルギー燃料と位置付けられている。しかし、太陽光を用いた水素ガスの製造は、効率が悪いうえ、コストが高いことから、実用化には不向きだとされていた。

光触媒薄膜を開発
今回、研究グループは、酸化物の薄膜とナノサイズの金属柱状結晶で構成される「コンポジット結晶」を用いた水分解光電極の作製を行った。

具体的には、パルスレーザー堆積法を用いて薄膜を作製するとともに、その中に5ナノメートルの太さを持つ金属の柱状結晶が自己集積的に成長する画期的な作製方法を開発。

結果、電極として機能する光触媒薄膜を開発することに成功するとともに、ナノ柱状結晶を薄膜内に無数に分散させることで、水の分解反応を促進させることに成功した。

さらに、ナノ柱状構造が固体化することにより、水素を生成する水分解光電極反応の効率が、著しく向上することも判明したという。

水素社会への応用に期待
今回開発した、ナノ構造を持つコンポジット材料は、より高効率なエネルギー変換材料やデバイスの作製に有効だ。

なお、研究グループは、この「ナノコンポジット結晶」が、今後、二酸化炭素を排出しないクリーンな水素社会実現の礎になると期待を寄せている。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

東京大学 プレスリリース
http://www.issp.u-tokyo.ac.jp/issp_wms/

名古屋大学 ホームページ
http://www.nagoya-u.ac.jp/

高エネルギー加速器研究機構 ホームページ
https://www.kek.jp/ja/

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