先日、「Serious Results! (マジな効果!)」というタイトルのメールマガジンが届きました。送り主は、ガンなどの重い病気の子どもを主な対象としたキャンプを行う、Serious Fun Children’s Networkという団体です。それはキャンプの効果について、エール大学と共同で行った調査の結果を紹介する内容でした。
親御さんにキャンプ前後の子どもの変化を聞くアンケート調査ですが、確かにすばらしい結果が並んでいます。「自己肯定感が高まった 77%」「社会的な活動への関心が高まった 76%」「新しいことに挑戦する意欲が高まった 80%」といった具合です。また、「治療を受ける意欲が高まった」「医療関係者への態度が改善した」といった報告もあったそうです。
病気の治療に長い時間を費やした子どもたちにとって、自分を肯定的にとらえるのは簡単ではありません。死んでしまうのではないかという不安や、治療のために髪の毛が抜けるなど見た目が変化したことへのコンプレックス、大好きなお父さんやお母さんに迷惑をかけて申し訳ないという思いなど、さまざまな感情が自己肯定感を低めてしまうことがあるのです。
しかし、不治の病とされていた小児ガンも、今では治癒率が70~80%あるのだそうです。多くの子どもたちが病気から回復するわけで、彼らがその後の人生を生きていくためには、自分の現状をそのままに受けとめる自己肯定感を高めることがどうしたって必要です。もちろん、日々の生活の中で小さな成功体験を積み重ねて、少しずつ高めていくことが大切なのですが、気持ちを切り替えるきっかけとなるのがキャンプというわけです。キャンプの日常とまったく違う環境の中で、いつもの何倍も笑ったり、いつもは口にしない不安な気持ちを話したり、ちょっとしたチャレンジに成功してガッツポーズをしてみたり。そんなことを通じて、「ぼくは、これでいいんだ」と思えるようになります。
キャンプは長くても1週間ほどのものですが、日常と異なる特別な空間を作ることで、Serious Resultsを生み出すのです。