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キャンプの恵み

Vol.80 「あのね‥」を受けとめる

  • 2015年4月23日

 日本キャンプ協会をごく単純に説明すると、“キャンプ指導者の集まり”ということになります。では、「キャンプ指導者」と聞いて、どんな人をイメージしますか?おそらく、ギターを弾きながら歌っているような、明るく、はつらつとした人を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
 けれど実際は、そうとも限りません。とても物静かで、「ほんとうは一人で本でも読んでいるほうが好きなんじゃないの?」とおもわせる人も少なからずいます。

 キャンプでは、体験の共有が重要な教育的要素となります。そしてその体験は、バリエーションに富んでいます。「やったー!」と叫んでしまいたくなるような体験もあるし、言葉にしたくないような静かな感動もあります。だから、キャンパーのさまざまな体験や感情を受けとめられるよう、いろんなタイプの指導者がいたほうがいいのです。
 「あのね‥」キャンパーはキャンプの中で発見したり、驚いたりしたことを誰かと共有したくて、たくさんの「あのね‥」を抱えています。はじけるようなうれしい「あのね‥」は、いっしょになって大喜びしてくれそうな人に渡したい。ほかの人に話すかどうか迷ってしまうような「あのね‥」は、静かに受けとめてくれる人に渡したい。小さな子どもたちでさえ、そんなふうにまわりを注意深く見回して、「あのね‥」を投げかける相手を見いだしています。だから、明るくて元気な指導者もいれば、控えめに見守ってくれるような指導者もいるキャンプであれば、そこで得られる経験はより豊かなものになるとおもうのです。
 もっとも、投げかけられる「あのね‥」は、心地よいものばかりとは限りません。もしかしたら、ひどく思いがけないもので、とても共感できない内容かもしれないのです。それでもいったんは受けとめられる、あるいは「受けとめよう」と意識できることが、キャンプ指導者としてとても大切なのだろうとおもいます。とても、とても難しいことですが‥。



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