小児がんなど、重い病気の子どものためのキャンプの世界的ネットワークである「ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプ協会(Association of Hole in the Wall Camps)」が、団体名称を「シリアス・ファン子どもネットワーク(SeriousFun Children’s Network)」に変更しました。
どちらもちょっと変わった名前ですが、前者はこの協会の創設者、俳優のポール・ニューマンの代表作『明日に向かって撃て』に由来するもの。そして後者は、従来からキーワードとして使われていた言葉で、意味は「本気で楽しめ!」といったところでしょうか。
この協会は、1988年に最初のキャンプ場を開いてから、世界中にネットワークを広げ、これまでに38万人以上の重い病気の子どもやその家族のためのキャンプを提供してきました。20年以上の歴史と創設者にゆかりのある名前をあえて変えるということは、この協会にとって「Serious Fun」というメッセージが非常に大切であることを示しています。
重い病気の子どもたちは、同じ年代の子どもが当たり前に楽しんでいることができないケースがよくあります。病気のために、活動が制限されることもあります。病気や治療による身体的変化(やせる、髪の毛が抜ける等)によって、引っ込み思案になっていることもあります。「病気になったのは、ぼく自身のせいなんだ」などと自分を責めて、いろんなことをあきらめている場合もあります。
そのような子どもやその家族に「本気で楽しもうぜ!」と呼びかけ続けてきたのが、この協会なのです。周到に準備された安心・安全な環境の中で、子どもたちはキャンプを思い切り楽しみ、小さな成功体験を積み重ねて、今までとは違う視座を手に入れます。「本気で楽しむことが、その子の人生を変える可能性がある。」その思いが、この新しい名前には込められているのです。
実は、日本にもこのキャンプを作ろうとしている人たちがいます。北海道滝川市の「そらぷちキッズキャンプ」は8年以上の準備期間を経て、まもなく正式なSeriouseFunのメンバーになるとのこと。本当に待ち遠しいニュースです。