サイト内
ウェブ
キャンプの恵み

Vol.61 自分と自然の距離や関係

  • 2014年7月17日

 いわゆる「環境問題」については、さまざまな考えがあります。ひとつのことが、データの読み方によってひどく違うように言われることもあります。「環境保全」と「生活の利便性」や「伝統文化」を二元論に落とし込んで、ヒステリックな議論が行われることもあります。正直、なにが正しくて、なにが現実的な対処法なのかわからないという気分になります。

 しかし、それで思考停止に陥るのもよろしくありません。身の丈にあった思考とでもいうのでしょうか、実感を基礎に考えを積み重ねて、「とりあえず、ぼくはこうおもう」というところにたどり着けたらいいなとおもうのです。

“喧噪の絶えない大都会
ケータイの電波の届かない場所
 そんなふうに淡々と自分なりの選択をするには、想像しうる生活パターンを多く持っていることが役立ちます。たとえば、使える電気が限られた状態、ゲーム機のない数日、ケータイの電波の届かない場所。あるいは、喧噪の絶えない大都会や、一回りするだけで疲れる巨大スーパーマーケット。これらを実際に経験して、「このくらいならがまんできる」「これはやり過ぎだ」という自分なりの尺度が持てれば、取るべき態度を選ぶとき、少し気分が軽くなります。

 そこでお勧めするのが、海外一人旅と自然の中でのキャンプです。

 一人だと名所を効率よく巡るような旅の仕方ができないので、人々の生活に触れる機会が増えます。すると、豊かさ、貧しさにもいろんなバリエーションがあることに気付きます。これは生活の利便性と環境負荷の大小のバランスを考えるよいヒントになります。

 そしてキャンプでは、自然の中にいることの心地よさと、自然の中で暮らすことの面倒くささの両方を体感することができます。中には、その面倒くささは楽しさに転換できると気付く人もいるでしょう。

 こうして得た実感を元に、自分と自然の距離や関係について思索をめぐらす時間を持てたら、ヒステリックになることなく、「とりあえず、ぼくはこうおもう」と言えるのではないかと考えています。


キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。