サイト内
ウェブ
キャンプの恵み

Vol.60 たいくつと仲よくする

  • 2014年7月3日

 キャンプにはいろんなタイプがあって、中には「いったいなにをして過ごすんだろう?」と思うほど、ゆったりとしたスケジュールのものもあります。「楽しそうな活動がいっぱいないと、もったいない」と思うかもしれません。けれど、ゆったり、のんびりしたキャンプには、レジリエンスを身につけるという大切な機能を担うことができる可能性があります。アメリカキャンプ協会の資料の記事に、キャンプはこのレジリエンスを育てるのに最適の場所だという記事が載っていました。

“なんにもない時間”を自然の中で過ごす
“なんにもない時間”を自然の中で過ごす
 「レジリエンス(resilience)」とは、人生の中で直面するさまざまな困難とうまく付き合っていく能力を指します。現代の社会では効率的であることに大きな価値が置かれ、「入力と出力のタイムラグは短ければ短いほどよい」とされる場面が多くあります。いい悪いは別として、私たちはその価値観にすっかりなれてしまっているのですが、人生で直面する困難は、大切な人の死や自分自身の存在意義を見失うことなど、簡単には答を出せないものばかりです。そうした困難に対してすぐに答を出そうとすればするほど、ますます答は見つからなくなってしまいます。

 つまり、レジリエンスとは、普段の価値観を脇に置いて、長い時間軸でものごとを考えることのできる能力と言い換えられる、そうおもいます。

“なんにもない時間”を自然の中で過ごす のんびり、ゆったりのキャンプには、思い思いの方法で遊んだり、普段なら「ダメ!」と言われそうな冒険をしてみたり、たっぷりある時間を使って妄想に励んでみたりする、普段の価値観を少し忘れることのできる時間があります。簡単にたいくつを解消してくれるネットやゲームもありませんから、たいくつと仲よくするしかありません。そんな時間の中では、普段なら「なに、小難しいこと考えてんだよっ!」ってばかにされそうな話だってできるかもしれません。こうしたことを積み重ねて、レジリエンスは身につくのです。

 もちろん、のんびり、ゆったりならなんでもいいというわけではありませんが、一見「楽しいこと満載」には見えないキャンプにも目を向けてもらえるとうれしいなとおもいます。



キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。