戦争が終わって68年目の夏です。もっとも、それは日本にとってということであって、その間もずっと地球上のどこかで戦争や紛争が続いており、その一つひとつに対して私たちにできることはほとんどありません。それでも平和を願う気持ちはあり、「キャンプを通じた世界平和」という言葉も耳にすることがあるのです。 国際キャンプ連盟(http://www.campingfellowship.org/)という、世界中のキャンプ関係者が所属する団体があります。3年に一度行う国際キャンプ会議がメインの事業であるという緩やかなつながりです。主要なメンバーともたまーにしか顔を合わせませんが、会う度に「旧友との再会をずいぶん楽しんだ」という感覚になります。 もちろん、キャンプに携わっている人は基本的にフレンドリーであるということが影響している部分も大いにあります。それでも、やはり「キャンプ」という“共通言語”に助けられていると強く感じます。共通といっても、具体的な中身は国ごとに大きく違うわけですが、それぞれの「キャンプ」を軸にして「ここは同じだね」「ここは違うね」という対話が成り立つのです。 そしてその対話の中で「日本のキャンプはどうなの?」と問われれば、どんなに言葉がつたないものであっても、「日本のキャンプはね‥」とまるで日本のキャンプのすべてを知っているかのような顔をして話すのです。相互理解というのはそんなところから始まりますし、そうした対話の先には共感が生まれるものです。たぶん「キャンプを通じた世界平和」というのは、この共感が満ちた状態を言うのでしょう。もちろんそれだけで戦争のような大きな波まで食い止められるものではないのですが、キャンプという共通言語を持って他の国の人と交流できることは、とてもラッキーだと思います。 最後にひとつの詩を紹介します。2003年にオーストラリアで行われた国際キャンプ会議で発表されたもので、キャンプを通じてよりよい世界をつくっていこうという思いが込められた詩です。
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