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キャンプの恵み

Vol.3 「楽しさ」の構造

  • 2012年3月29日
「楽しさ」の構造

 先日、アイルランドの方と話をする機会がありました。その人によると、アイルランドはいろんな意味で穏やかな国なのだそうです。高い山はないし、気候は暑くもなく寒くもない、そして、人々の性格も穏やか。話す声も小さいそうで、「市民の社交の場であるパブもアイルランドと英国ではまったく違うんだ。アイルランドでは静かに話しているけれど、英国では大騒ぎしているよ」とのことでした。

 「ではキャンプは?」と聞くと、「キャンプでも同じだよ」とこんな話を聞かせてくれました。

 アイルランドの子どもたちのキャンプに、カナダのキャンプリーダーが参加したときのこと。穏やかに談笑する子どもたちを見て、彼らは「子どもたちが退屈している!」と思い、盛り上げようとしたんだ。だからぼくは「子どもたちは十分に楽しんでいるから、大騒ぎはしなくていい」とカナダ人リーダーをなだめるのに苦労したよ。


「楽しさ」の構造

 カナダやアメリカの子どもたちの楽しそうな姿というのは、まさに、大騒ぎ。思い切り動いて、声を出している姿がイメージされます。だから、おとなしいアイルランドの子どもが楽しんでいないように見えても、不思議ではありません。

 文化というのはおもしろいもので、アイルランドと英国のように、隣り合っていても驚くほど雰囲気が違うということが多々あります。一方で、世界中のどこにいても子どもは「子ども」として共通の要素も持っているものです。

 さて、日本の子どもたちがキャンプを楽しむ様子というのは、どんな感じなのでしょうか?一般的に日本人はシャイだと言われますが、一度スイッチが入ったときの大騒ぎぶりは北米の人たちにも負けません。つまり、日本なりの「楽しさ」があるということになります。

 キャンプにとって「楽しさ」は不可欠です。しかし、それは文化的背景に大きく左右されるものでもあります。どこかで見た「楽しそうな活動」を組み合わせるだけでは、「楽しい活動」にはならないわけで、キャンプを企画する者は、「ああでもない、こうでもない」と知恵を絞らなければならないのです。


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