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キャンプの恵み

Vol.111 経験と人

  • 2016年7月21日
  • (社)日本キャンプ協会

経験と人

 先日、母が仏壇のろうそくの火を指の先でつまんで消している光景を目にしました。熱くはないのかと聞いてみると躊躇せずにつまめば熱くないと言うのです。

 さて、火が熱いというのは、ほとんどの人が知識として知っているし、経験としても知っていることでしょう。我が家にはガスコンロがあり日常的に火をつけたり消したりしていますし、ストーブやお風呂のボイラーも火が燃えて空気や水を温める仕組みになっています。私自身はそんな環境で育ってきましたので、自然と火は熱いもの、燃え上がると怖い(危険な)もの、でも使いこなせば便利なもの、ということを時々叱られたり、少し痛い思いもしたりしながら、経験として学んできたのだと思います。

 そんな中、最近キャンプで接する子どもたちから「初めて火を見た!」という感想を聞いて驚愕してしました。聞くと、その子の家はオール電化だそうで、間近で火を見たことなんかないというのです。きっと、火を見る機会はあるのでしょうが、日常生活の中で直接火に触れることが極端に少ないのだろうなぁと勝手に解釈したり、思ったりした次第でした。

 それ以外のことも含めて、一昔前に比べると、普段の生活とキャンプの環境の差は大きくなってきました。こんな風に普段の生活とキャンプの活動中の環境の差が大きくなればなるほど新しい発見や初めての体験もきっとたくさん積み重なるに違いありません。だから、そんなとき「危ないからダメ」と最初から禁止するのではなく、そこを踏まえてきちんと見守れるような大人になりたいと思うのです。そして、キャンプだからこそ日常生活で体験できない部分を目一杯経験していってほしいとも思うのです。

と、すこし偉そうなことを言いましたが、私たち大人にとってもキャンプは発見や驚きの連続です。私たち自身も一緒に素直におどいたり、感動したりすることが大きな役目の一つだと日々感じています。(まっちゃ)

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