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Q. 40代後半です。避妊は何歳になったらやめても大丈夫ですか?【産婦人科医が解説】

  • 2024年5月21日
  • All About

月経周期が短くなり、無月経の月が続くと、「さすがにもう妊娠しないだろう」と考えてしまうかもしれません。しかし、40代後半の妊娠・中絶件数は、決して少ないものではありません。注意すべき点を解説します。
■Q. 40代後半です。そろそろ避妊は不要でしょうか? 月経も数カ月来ていません
Q. 「48歳ですが、3カ月ほど前から月経が来ていません。そろそろ閉経する年齢でしょうし、この年齢で自然妊娠する人はほとんどいないと思います。

このまま月経がなく、閉経が確実そうであれば、避妊をやめても大丈夫でしょうか?」

■A. 40代後半の中絶件数も多いので、慎重に。できれば閉経後もセーファーセックスを
40代は徐々に生理周期が短くなり、やがて閉経を迎えます。何カ月か月経がないと、質問者の方のように「閉経した」と判断してしまう方もいますが、閉経の条件は「1年間全く出血がない」状態です。

数カ月程度無月経だとしても、まだ妊娠する可能性はあります。

実は40代後半は、人工妊娠中絶の件数もまだ多く、50歳以上でも一定の中絶が報告されています。その年齢ごとの「全妊娠件数」に対して、中絶を選択する人の割合は、実は若年層でも40代後半でも、あまり変わらないのです。

他の年代に比べれば、中絶件数そのものは少なくなりますが、決して無視できる数字ではありません。1年間全く出血がなく、確実に閉経したという状態になるまでは、必ず避妊を続ける必要があります。

40代になると、すでにお子さんもいらっしゃり、今後の妊娠はもう希望しないという方も少なくないでしょう。

その場合はコンドームによる避妊でも確実とはいえないので、より確実な避妊法として、「ピルの服用」「子宮内避妊具の使用」「避妊手術」のいずれかを検討することも大切です。

それぞれの経済的な負担や副作用・リスクなどを考えられるよう、医師に相談するなどして、ぜひ自分にあった方法を選択してください。

また、「妊娠を避ける」という意味では、閉経後のコンドームなどの使用は不要ですが、夫婦で「セーファーセックス」を意識することは大切です。感染症予防の観点からは、「何歳になってもコンドームは必要」といえます。

確実な避妊が必要な時期は、ピルや子宮内避妊具を使用し、感染症予防のためにコンドームを使用することが大切なことは、実は10代でも40代、50代でも変わりません。

▼清水 なほみプロフィール女性医療ネットワーク発起人・NPO法人ティーンズサポート理事長。日本産婦人科学会専門医で、現在はポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。女性医療の先駆者の下、最先端の性差医療を学び、「全ての女性に美と健康を!」をコンセプトに現場診療にあたる。ネット・雑誌・書籍等の媒体を通し幅広く健康啓発を行っている。

清水 奈穂美(産婦人科医)

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