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「シニアボランティア」 詳細解説

読み:
しにあぼらんてぃあ
英名:
Senior Volunteer

厚生労働省が発表した2012年の「簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性が79.94歳、女性が86.41歳となり、長寿命化が年々進んでいる。こうした中、定年を迎えた人や、子育てに区切りのついた人などをはじめとするシニア層の間に、仕事などで培ってきた知識や能力を社会や人のために生かそうと考える人が増えつつある。このように、社会の一員として自らの力を生かしてボランティア活動を行うシニア層のことを、シニアボランティアと呼ぶ。

シニアボランティアは、すでにさまざまな分野で活躍している。観光案内や、福祉・介護現場における車の運転、大工仕事、各種清掃、市民団体の事務局における電話応対や郵便物の発送作業、パソコンでの文書入力、簡単な英語の読み書きなどだ。彼らが企業などで日常的に行っていた作業は、市民活動の分野で最も必要とされるスキルのひとつなのだ。また、経理や労務、ICTなど専門的な知識や経験をもつ人が、市民活動の分野で活躍している例も少なくない。

独立行政法人国際協力機構(JICA)は、開発途上国の人々のために技術や経験を生かしたいと考えるシニア層を海外へ派遣し、支援する「シニア海外ボランティア事業」を1990年から実施している。対象は、満40歳から満69歳の日本国籍をもつ人だ。活動分野は、公共事業、農林水産、エネルギー、保健・医療、人的資源(教育・文化・スポーツなど)など。派遣されたボランティアの総数は、2013年12月31日現在で累計5290名に上る。

少子高齢社会を迎えた現在、シニア層がもつ豊かな経験、知識、技術は、市民社会にとって大きな財産だ。ますます深刻になる高齢者福祉や社会保障の維持を、シニア世代自身が考え、解決していく仕組みも必要とされている。しかも2007年頃から、1947年から49年に誕生した680万人ともいわれる「団塊世代」が定年を迎えている。このため、団塊世代がシニアボランティアとして活動するための、受け皿が求められている。

地方自治体の中には、シニア層に対する社会参加への支援として、ボランティアの育成や地域活動グループの紹介などを行っているところもある。地域の高齢者による社会参加活動としては、介護や子育て、見守り、援農、技能継承、観光ボランティアなどがある。

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