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「シェアリングエコノミー」 詳細解説

読み:
しぇありんぐえこのみー
英名:
Sharing Economy

資本主義経済においては長きにわたり、自分が使う物は自ら所有し、利用するサービスも自分だけのために用意されたものという考え方が当たり前になっていた。しかし近年、サービスや製品などを個人や企業などの間で共有し、必要な時に利用する「非所有」をベースとした経済活動がさまざまな分野で登場している。このような経済の仕組みを「シェアリングエコノミー」、日本語で「共有型経済」と呼ぶ。利用者とサービス提供者相互間の信頼に基づいて行われることが多い点も特長だ。

このような共有の考え方は、これまでもカーシェアリングなどの形態で存在していた。21世紀に入り、ICT(情報通信技術)に加えてソーシャルメディアが加速度的に発達したことを受けて、自動車に限らず自転車や住まい、農地、遊休施設など、さまざまな物を交換したり共有したりしやすくなった。とくに欧米ではシェアリングエコノミーの仕組みが広く受け入れられ、経済のあり方自体が所有型から共有型のものへと移行し始めている。

日本でもこの動きは顕著で、以前から「レンタサイクル」として利用されてきた自転車の共有システムが、「コミュニティサイクル」や「バイクシェアリング」などに進化して一層の広がりを見せている。NTTドコモなど4社は、2015年2月にサイクルシェアリング事業の提供を行うドコモ・バイクシェアを設立した。自治体など公共の主体に加えて、民間のマンションなどにもサイクルシェアリングを提供する点が特長だ。横浜市や東京都江東区、仙台市、広島市などでコミュニティサイクル事業と実証実験を行っている。

シェアリングエコノミーの対象となるのは、不特定多数を対象とする製品やサービスだけではない。インターネットの普及により、属人的な能力を「見える化」してデータ化することが可能になったことで、新たな市場も生まれている。知識や経験をもつ人材とその能力を必要とする個人や企業を仲介するサイトや、料理をつくる人と食べたい人をとりもつマッチングサイトが人気を博している。

シェアリングエコノミーが広がる一方で、法律による規制や従来型の商習慣とあつれきを生ずるケースも少なくない。新交通システムとして世界的に注目されている配車サービスの「Uber」は、国から行政指導を受けたり、フランスでタクシー業者の抵抗にあいサービスの一時停止に追い込まれたりした。それでも、ITを活用したシェアリングエコノミーを可能にするための規制緩和は始まっている。日本では、ワンウェイ(乗り捨て)方式のレンタカー型カーシェアリングサービスが、2014年9月からできるようになった。

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