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「イルカ・クジラ」 詳細解説

読み:
いるか・くじら
英名:
Dolphin and Whale

海で生きる哺乳類にはさまざまな種類がいて、その姿や生態は千差万別だ。食肉目ではアシカやアザラシ、セイウチのようにひれ足をもつものや、後足に水かきのあるラッコがいる。ジュゴンやマナティーなど海牛類に属する仲間には、ひれの形をした前足と尾びれがある。そして、魚によく似た体形をしているのがクジラ目で、約4500万年前に陸上の哺乳類から分化したといわれている。

海中で生活しているが哺乳類のイルカ・クジラには魚のような「えら」がないため、時折、呼吸のために水面に浮かび上がる必要がある。しかし、なかにはマッコウクジラのように2000m以上の深海まで潜ることができるものもいる。クジラ目に属する哺乳類のうち、大人の全長が4mより小さいものを「イルカ」、大きいものを「クジラ」と呼ぶ。つまり、イルカとクジラを分けるのは大きさの違いで、明確な基準はないといってもよい。

世界には83種のイルカ・クジラがいる。歯のあるハクジラ類と、歯がない代わりに「くじらひげ」をもつヒゲクジラ類の2類に大別され、さらに15の科に分けられる。ハクジラ類にはマッコウクジラ、ツチクジラ、アカボウクジラ、シャチなどがいて、魚やイカなどを食べる。歯があり魚などを食べるイルカはハクジラの仲間だ。ヒゲクジラ類にはシロナガスクジラ、セミクジラなどがいて、ひげを使い海水中のプランクトンをより分けて食べる。シロナガスクジラの中には、体長30m以上、体重100tを超えるものもいる。

イルカ・クジラ類は非常に高い知能をもっており、仲間とのコミュニケーションに鳴音と呼ばれる鳴き声を利用している。また、家族を中心とした群れをつくり、魚などを捕食する際に協力し合うなど団体行動をとる場合もある。種類によっては大移動を行うものもいる。人類とイルカ・クジラとのかかわりは長く、クジラは各地で信仰の対象になってきた。また、イルカは人懐っこく記憶力がよいため、多くの人から愛されている。クジラを見るホエールウォッチングや、イルカと泳ぐドルフィンスイムツアーも人気だ。

一方、人間にはクジラを捕獲して食料や資源としてきた「捕鯨」の歴史がある。捕鯨の賛否をめぐっては、国際捕鯨委員会(IWC)などの場で国際社会を二分する議論が繰り広げられている。日本はかつて商業捕鯨を実施していたが、IWCが一時停止を決めたのを機に調査捕鯨のみを行っている。2014年9月にIWCは日本による調査捕鯨再開の延期を決議したが、日本は南極海での調査捕鯨継続を表明し、事態は紛糾している。

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