A: 東京湾から約1000km南方の海上にある小笠原諸島は、ガラパゴス諸島と同じように一度も大陸と地続きになったことがなく、特有の植物や昆虫、陸産貝類などさまざまな生物がいる。ここでしか見られない固有の生物としては、オガサワラオオコウモリやクロアシアホウドリなどが有名だ。また、植物ではオオハマギキョウやウラジロコムラサキ、魚類ではオビシメやミナミイスズミなどがいる。さらに、周辺には多くのイルカ・クジラ、アオウミガメなどが生息している。このような独特の自然環境が評価されて、小笠原諸島は世界自然遺産として登録された。
A: もともとある地域にいなかったのに、人間がもち込むなどして他の地域から入ってきた生物を外来種という。小笠原諸島に関しては、小型のトカゲであるグリーンアノールによる影響が心配されている。昆虫などを主食とするグリーンアノールによって固有種のオガサワラトンボやオガサワラゼミなどが危機にさらされており、絶滅寸前にまで追い込まれた昆虫もいる。また、固有の陸貝であるカタマイマイ類が、帰化したニューギニアヤリガタリクウズムシによって絶滅の危機にある。さらに、鳥のメジロも20世紀初頭に移入された種であり、外来植物の分布拡大を助長していると考えられている。ただし、ハハジマメジロという固有種もいる。