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「農業」 詳細解説

読み:
のうぎょう
英名:
Agriculture

人類による農業は、約1万年前、西アジア地方で野生のムギ類を栽培したことに起源を持つと考えられている。その後、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、ジャガイモ、イネなどの栽培がはじまり、農業技術は世界各地に伝播していった。

近代以前の農業はスキ、クワなど大地を耕す小規模な農具と、落ち葉などの堆肥や人糞などを肥料としたものが主流であった。しかし、農業が近代化されるようになると、耕耘機などの大型機器が導入されるとともに、農薬、化学肥料などが投入され、農作物が大量に収穫されるようになった。農業の近代化によって、欧米や日本などの先進国では食糧不足から解放され、安定的な食糧が確保されるようになった。しかし、化学肥料の大量投入による農作物の大量生産、大量収穫は、化学肥料による土地の荒廃や、食の安全への疑問を招き、近年、農薬や化学肥料を使わない有機農業などが注目されるようになっている。

日本の農業は、戦後、日本人の主食である米作を重視する農政と、農業の保護政策を中心に営まれてきた。しかし、工業品の輸出大国である日本が、農業品目の輸入を制限していることに対して農業輸出国からの反発も強く、農産物輸入自由化に踏み切らざるをえなくなった。

1991年には、アメリカ産の牛乳とオレンジの完全輸入自由化が行われ、その後、コメに関してはさまざまな条件がついたものの、基本的にはコメ、野菜、肉などの農(畜)産物の市場開放が行われた。その結果、農産物は国際的な競争にさらされることになり、農家も新しい農業のあり方を模索しなければならない時代を迎えている。

また、日本の社会が戦後、農業や林業などを中心とする社会から、工場社会に変わり、さらに70年代から急速に第三次産業であるサービス産業社会へとシフトするに従って、農業に従事する人口が減少し、高齢化と農家の継承者不足が深刻な問題となっている。

このような構造的な問題の解決を図るために、国ではこれまで農家でなければ取得できなかった農地を、農事組合法人や株式会社などの会社法人でも取得できるように法律を改正し、農業の合理化、活性化を図っている。長い間、農村という地域社会によって支えられてきた農業に、企業による農業経営という新しいファクターが加わったことで、これから日本の農業がどのような変化を遂げるかが注目されている。

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