サイト内
ウェブ

「生態系」 詳細解説

読み:
せいたいけい
英名:
Ecosystem

"生物は、1) ある地域内にいる同種の個体集団である個体群、2) その個体群が集まった生物群集、などの階層にわかれて生活している。この生物群集とその周囲の環境のことを合わせて生態系と呼ぶ。「生態系」という概念は、1930年代半ばにイギリスの植物学者タンスレイによって提唱されたといわれている。しかし、当時は生態系という言葉の持つ意味がそれほど重要視されず、現在ほど注目されるものではなかった。1960年代以降、環境問題が叫ばれるようになってから、「生態系」は生物と生物を取り巻く安定的なシステムを考える上でのキーワードと捉えられ、特に1990年代以降、その重要性が認識されるようなった。

個体群同士の間には、食べる、食べられるという捕食・被食や、共生、競争などさまざまな関係がある。光合成によってデンプンなどの有機物を作り出す植物、植物を食べる虫、昆虫を食べるカエル、それらを食べる獣や鳥などの高次の肉食動物、そしてこれらの肉食動物の死骸を食べる微生物、微生物が作り出した栄養を吸収する植物。こうした一連の食物連鎖により、生命やエネルギーの循環がつくられ、生態系を維持する上で重要な働きを持っている。

こうしたエネルギー循環は、地球という大きな空間においても、また、森林、草原、湿原、湖、河川など、比較的限定された空間・場所・地域においても存在し、地球はこれらのさまざまな生態系によって営まれている。生態系は周辺環境の状況などによって変化するが、その系の中で起きる相互作用で安定を保つことができる。しかし近年、人間活動による急激な環境改変や、その生態系に存在しなかった外来種の導入などにより、多くの地域で生態系の急速な変化・破綻が引き起こされ、大きな問題となっている。"

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。