A: HEMSに関する総合的な実証事業として、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行った、「エネルギー需要最適マネジメント推進事業」の結果が報告されている。このうち、関西電力・松下産業機器・日立製作所による合弁会社が大阪府と兵庫県で行った実証実験では、ホームネットワークを活用した家電制御システムと、家庭での電力量を継続して測定するシステムの実用性などが検証された。また、(財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)が経済産業省の委託を受けて行った「スマートハウスプロジェクト実証事業」は、HEMSを含めたスマートハウスのビジネスモデルに関する調査研究として参考になる。一方、神奈川県では、次世代エネルギー・社会システム実証の一環として「横浜スマートシティプロジェクト」が進められており、HEMSについての実証事業も含まれている。
A: ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)は、家庭内の家電機器や給湯器などを宅内ネットワークでつなぎ、複数の機器を自動制御して省エネや節電を促進する仕組みだ。一方、ビルエネルギー管理システム(BEMS)は、ビルのエネルギーを最適に管理することで、ビル全体の環境負荷を抑え、節電や省エネを実現するためのシステムだ。両者の規模や機器の構成などは大きく違うが、建築物のエネルギー利用を「見える化」するシステムである点では同じだ。HEMSとBEMSはいずれも、資源エネルギー庁が2011年3月に公表した「省エネルギー技術戦略2011」に、重要分野の基幹技術として盛り込まれている。