A: 天然ガスであるシェールガスは、石炭や石油などに比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、温暖化防止の観点から普及が求められている。近年、地下のシェール層に広く、細かく分布するガスを効率よく採取する技術が進歩したことを受けて、もともとシェール層が多い米国やカナダなどでの開発が急速に進んでいる。とくに米国では、シェールガスを自国で生産することにより海外からのLNGなど天然ガスの輸入量を大幅に減らすことができ、エネルギー安全保障の観点からも大きな期待を寄せている。
A: 米国エネルギー情報局(EIA)の報告書によると、米国を除く世界32カ国にある採取可能なシェールガスの量は5760兆立法フィートで、世界で年間に消費される天然ガス量の54年分にもなる。一方、日本は米国や中国などの大陸部と比べて地質年代が新しいため、(独法)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)石油調査部によると、シェール層に広く薄く存在するシェールガスを商業規模で生産することは難しい。しかし、日本の大手商社はカナダなど各地のシェールガス開発計画に参加している。