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「ディーゼル」 詳細解説

読み:
でぃーぜる
英名:
Diesel Engine

ディーゼルエンジンは、19世紀後半にドイツ人のディーゼルによって開発された、軽油や重油を燃料とする内燃機関のこと。ガソリンエンジンは、燃料と空気を混合させた気体をピストンで圧縮し、点火プラグの火花によって爆発させるが、ディーゼルエンジンは、ピストンで空気を高圧縮し、燃料を噴射して自然発火させ、爆発の力でエンジンを駆動させる。高圧縮に耐えるようにエンジンを頑丈につくるため、騒音や振動が大きくなるが、燃費はガソリンに比べてよいこと、二酸化炭素の排出が少ないというメリットがある。

その反面、酸性雨の原因となる窒素酸化物(NOx)や発がん性のある粒子状物質(PM)、気管支ぜん息の発症に関係がある浮遊粒状物質(SPM)が多く排出される。このため、ディーゼル車の規制が叫ばれるようになり、環境省は2001年8月に「改正自動車NOx・PM法」を公布、NOxとPMの排出基準を設け、規制値に満たないディーゼル車は東京、大阪、愛知、神奈川、千葉などの「特定地域内」においては、2002年10月1日以降は新規登録ができないことになった。

また、これとは別に、東京都では「ディーゼル車通行規制」を公布し、2003年10月1日から、東京都が定めたPMの排出量基準を満たさないディーゼル車に関しては、都内全域の通行を認めないことにした。東京都のほか8都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市)が通行規制を行うことになり、首都圏では環境負荷の高いディーゼル車は通行できないことになった。

このように国内のディーゼル規制は厳しさを増しており、2005年に施行される自動車排出ガスの「新長期規制」では、新車のディーゼルエンジンについて、2002年から適用される短期規制値より更に窒素酸化物(NOx)で最大50%、粒子状物質(PM)で最大約85%削減という世界でも有数の厳しい規制が盛り込まれた。

こうした一連の動きに対応して、各自動車メーカーではディーゼルエンジンの持つ高効率性を維持しながら、低振動、低騒音でクリーンなエンジンを実現する新技術の開発に力を注いでいる。石油業界でも、原油を精製してつくる軽油に比べてNOxの発生が2〜3割少ないといわれる天然ガスを原料とした軽油の開発に取り組んでいる。

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