環境面から、また、社会的な側面からも持続可能な管理がなされている森林から得られた木材のこと。森林は多様な生物の生息の場であり、生態系を形づくる重要な空間だ。また、水を涵養する水源としての機能や、温室効果ガスのひとつである二酸化炭素（ＣＯ2）の吸収源としての機能など、多面的な役割が期待されている。一方、とくに熱帯林や北方林において違法伐採が後を絶たない。フェアウッドの利用を促進することで、違法伐採によって得られた木材の輸入や使用を食い止め、無秩序な違法伐採を阻止することが可能となる。フェアウッドという言葉は、もともと木材の持続可能な利用を推進するためにＮＧＯ／ＮＰＯなど民間団体が進めていた「フェアウッドキャンペーン」が使用していたものだ。
同キャンペーンではフェアウッドについて次のような定義を行っている。1) 最低限、合法な木材であること、2) 持続可能な森林経営を目指す木材であること、3) 信頼できる第三者機関の認証を受けていること、4) できるだけ近くの森林から得られた木材であること。こうした提言を受けて、国もフェアウッドの概念を導入し、国有林における合法で持続可能な木材の供給の促進に取り組んでいる。また、林野庁では「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」を定めている。さらに、国は、政府調達の対象となる木材などを合法性や持続可能性が証明されたものとするため、グリーン購入法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」を改定した。
