サイト内
ウェブ

「ISO9000シリーズ」 詳細解説

英名:
ISO9000 Series

ISO9000シリーズは、品質管理を目的としたISOマネジメント規格で、ISO9000ファミリーとも呼ばれる。1970年代、欧米の先進諸国で品質保証に関する規格が制定されたが、先進国が独自の規格をもつことは国際貿易上の障害になるという考えから、1979年にISO内に品質保証分野の標準化を目的としたTC176が設置され、品質管理と品質保証に関する用語やQMSなどの標準化作業が進められた。そして、イギリスと米国の国家規格を基にして、1987年にISO9000シリーズが開発された。これがいわゆる「1987年版」である。これを受けて日本では、1991年に(財)日本規格協会にJIS化のための検討委員会が設置され、同年にJISZ9900〜9904の5種類の規格がJIS化された。

ISO9000シリーズは製品やサービスそれ自体ではなく、製造や作業工程に関して適用される。具体的には、QMSの有効性を改善するため、プロセスアプローチを採用。組織内でのプロセスを明確にして、管理対象を決め、品質目標を設定し、PDCAサイクル(Plan:目標・計画、Do:実施・運用、Check:点検・検証、Action:見直し・展開)を繰り返し実行し、その目標の達成を目指す。また、認定取得後も継続的に審査が行われ、品質レベルの維持が求められる。また、要求事項は規定されているものの、実現のための手段は規定されていない。そのため、それぞれの実状に合わせたマネジメントシステムを構築することになる。

ISO9000シリーズは1994年に改訂され、顧客の満足度向上や品質改善の活動重視、プロセスの考え方の導入などが行われた。2000年には品質分野における進展などを受けて、ISO9000シリーズの抜本的な見直しが行われた。いわゆる「2000年版」だ。2000年版は、ISO9000シリーズ全体では、経験の少ない利用者にも理解できるように使いやすさとわかりやすさを向上するとともに、規格数を整理。適用範囲の異なるISO9001、2、3を統合してISO9001に統一したほか、品質及び環境の監査規格を統合した。また、ISO9000シリーズ全体をISO9000、9001、9004、19011(品質及び環境管理の統合監査規格)及びTR(技術報告書)とするといった改訂が行われた。

ISO9001では、製造業中心からサービス業などすべての業種や規模の組織に適用可能なものとするための変更と、環境マネジメントシステム(EMS)との整合性の向上、顧客満足度の測定など顧客との関連重視に関する改訂が行われた。さらに、ISO9004(品質マネジメントシステム指針規格)についても、利用度の向上とシステム評価に関する手法の導入などが行われた。また、2008年にも小改訂が行われた。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。