2025/02/25 05:05 ウェザーニュース
旬の終盤に入ってきた牡蠣。牡蠣の中でも「真牡蠣」がまだまだ美味しい時季です。ウェザーニュースが実施した「牡蠣、好き? 嫌い?」というアンケート調査では「好き」が76%と、多くの支持を集めています。
プリっとふくらんだ大ぶりの牡蠣は「海のミルク」ともいわれ、美味しいだけでなくさまざまな栄養素が含まれていることでも知られています。
詳しい話を、岡田食健康デザイン事務所の管理栄養士・岡田明子さんに伺いました。
今が水揚げ最盛期の真牡蠣ですが、産地は6割程度を広島が占めています。
「広島では4月ごろまで水揚げが続きますが、12月〜2月が最旬といわれています。次いで水揚げが多いのが宮城、岡山となっています。
牡蠣は産地によって味が異なるといわれており、広島はさっぱりとしながらもコクのあるプリっとした身が特徴、宮城はプランクトン豊富な三陸の海で育つためクリーミーな味わいがあります。
どの産地でも旬の時季は最も美味しいものが食べられるので、ぜひ今の時季に味わってください」(岡田さん)
牡蠣は栄養成分が豊富だといわれています。
「牡蠣には亜鉛、鉄分、グリコーゲン、タウリン、ビタミンB12が含まれています。特に亜鉛は、体内で生成できない必須ミネラルの一つですが、新陳代謝やエネルギー代謝を助け、生活習慣病を予防するなど、健康を維持するうえで非常に重要な成分です。
これが生牡蠣100gで1日に必要とされる亜鉛の量が摂れるので、美味しく健康効果を得ることができる絶好の食材といえます。
また、タウリンやグリコーゲンは疲労回復に効果がありますが、さらに女性にうれしい美容効果も期待できる栄養成分も豊富です。亜鉛は皮膚や髪を健康な状態に保ちますし、貧血予防の鉄分、アンチエイジングが期待できるセレンも含まれています。
しかし、いくら健康効果や美容効果が高いといっても食べすぎはよくありません。特に亜鉛が必要とされる妊娠中の方には牡蠣は絶好の食材ですが、妊娠中は免疫力が落ちているので生牡蠣は控えた方がよいでしょう」(岡田さん)
栄養豊富な牡蠣も、食べ方次第で無駄なく栄養成分を摂れる食べ方があるそうです。
「牡蠣の栄養成分であるタウリンやビタミン類は水溶性なので、煮たり、茹でたりすると栄養成分が流れ出てしまいます。
そこで、旬の今は新鮮な生食用の牡蠣を生食でいただくか、フライがおすすめです。食べる時には、レモンをかけるとより栄養効果が高まります。
これは牡蠣に含まれている鉄分は体内への吸収率がそのままでは15〜30%と低いものの、ビタミンCを加えると鉄分の吸収を助ける効果があるためです。
また、煮たスープを一緒にいただけば流れ出た栄養成分を摂ることができるので、牡蠣鍋やグラタンなどスープも一緒に食べる料理もおすすめです。
ただし、生牡蠣は食中毒のリスクもあるので、必ず生食用の新鮮なものを適度な量をいただくようにしましょう」(岡田さん)
生食、フライ、鍋物など何にでも合う牡蠣。旬の牡蠣の栄養成分を逃さず摂って、健康を維持しましょう。