2025/05/16 05:10 ウェザーニュース
皮が薄くてみずみずしい新玉ねぎが店頭に並ぶ時季になりました。乾燥させてから出荷される通常の玉ねぎと異なり、今の時季だけ出回る新玉ねぎは、収穫後すぐに出荷されるため、水分たっぷりです。
この新玉ねぎを発酵させて調味料として使う「発酵新玉ねぎ」の作り方を、発酵食コーディネーターで料理研究家の加藤なぎささんに聞きました。
「新玉ねぎはとてもみずみずしく、辛みが少なく甘みを感じられるので、水にさらさずにそのまま食べてもツーンと来ることはありません」(加藤さん)
新玉ねぎを乳酸発酵させて調味料にすると、料理に深みが増すといいます。
「発酵させるとより辛みが少なくなり、旨みや甘みがぐっと増します。また加熱せずに使えば、腸まで届きやすい植物性乳酸菌を摂ることができるので、腸活にもおすすめです。
発酵新玉ねぎは万能調味料として、肉や魚料理のタレやドレッシング、薬味などに大活躍してくれます」(加藤さん)
新玉ねぎを発酵させるには、自然の乳酸菌の力を借ります。
「作り方はとても簡単です。玉ねぎをみじん切りにしたら、あとは空気中の乳酸菌に発酵を任せます。今ぐらいの時季は発酵に適した気温なので、発酵しやすく美味しく仕上がります」(加藤さん)
【材料】
・新玉ねぎ:大1個(約300g)
・水:60ml(玉ねぎが水に浸かる程度)
・塩:玉ねぎの重さの3%
・チャック付き保存袋、ガラス容器など
【作り方】
1./新玉ねぎをフードプロセッサーにかけるか、包丁でみじん切りにする。
2./1を保存用の袋か容器(一度熱湯にくぐらせて滅菌しておく)に入れ、塩を入れてもみこむように混ぜる。
3./2に水を加えて密封し、常温で1〜3日程度置いて発酵させる。
4./3が白濁しはじめたら味をみて、酸味を感じたらできあがり。そのまま冷蔵庫で保存すれば2週間程度は保存可能。
発酵新玉ねぎを使ったレシピを教えてください。
「発酵新玉ねぎは肉によく合います。そこで、発酵新玉ねぎを汁ごと使い、醤油、日本酒、砂糖、ごま油を合わせたものを肉によくもみこんで1時間程度漬けてから焼くとコクのある焼肉になります。
また、鶏むね肉をひと口大に切り、発酵新玉ねぎの汁だけと醤油、日本酒などで下味をつけてから、カラッと揚げるとパサつかず柔らかく旨みのある唐揚げができます。水気を切った発酵新玉ねぎと醤油、酢を合わせて上からかけると、よりさっぱりした唐揚げになります」(加藤さん)
新玉ねぎは、スライスオニオンやサラダなどそのままでも美味しいのですが、発酵調味料としても大活躍します。発酵に適した気温が続く今の時季、辛みの少ない新玉ねぎの特長を生かして発酵新玉ねぎを作ってみませんか。