目覚めたら深夜2時?眠れない夜は、簡単なお菓子を焼いて心も食欲も満たす!大人気レシピ付きコミックエッセイが人気の理由【作者に聞く】

  • 2025年2月20日
  • Walkerplus

18時間も眠ってしまい、起きたら深夜2時。一日何もしなかった自分に罪悪感を覚えてしまう。そんな気持ちを払拭するように、ゆっくりとお菓子を焼く。時間はたっぷりあるのだから――。「生きているといろんなことがあってくたびれてしまいますが、適度に休憩を取りながら、一緒に生きていきましょう」そんな想いで描く、Xで大人気の漫画家・午後さん(@_zengo)の「眠れぬ夜はケーキを焼いて」を紹介するとともに、レシピ付きコミックエッセイ本が多くの人を魅了する理由は?今回は午後さんにインタビューする。


■3時間睡眠の日もあれば、18時間以上寝てしまうこともあって…。真夜中に起きたそんな日は?
【漫画】「真夜中にケーキを焼く話」を読む
【漫画】「真夜中にケーキを焼く話」を読む / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

「眠れぬ夜はケーキを焼いて」は、現在3巻まで発売されており、すべて重版出来と人気のコミックエッセイ。電子版が人気な昨今、午後さんのファンは「手元に残しておきたい」と書籍を選ぶ。

「真夜中に豆腐を食べる話」2-34
「真夜中に豆腐を食べる話」2-34 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

昼間に寝てしまい、起きたらもう真夜中。1日何もしなかった罪悪感から「とりあえずケーキでも作るか」と立ち上がる。頭の中が整理できない状態では、ただ混ぜるだけの簡単なスポンジケーキがいい。クッキングシートのカット方法やオーブンに余熱を入れるタイミング以外にも、調理器具を片付けるといい時など、普通のレシピ本には書かれていない些細なところまで描かれるのが、本書の特徴。

「コミックエッセイってけっこう斜め読みしてしまうことが多いのですが。この本は、文章一字一句しっかり読み込んでしまいます」と、チルアウトする時間のお供に読者から高い人気を集めている。眠れなくて不安な夜、どうやって過ごせばいいか悩む人にもおすすめしたい。

■情報量が多いと疲れてしまうので「のびのびとした線画」と「画面の余白」を意識して描いている

「真夜中にケーキを焼く話」1-03
「真夜中にケーキを焼く話」1-03 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――「眠れぬ夜はケーキを焼いて」を描き始めたきっかけを教えてください。

自分の中の世界観といいますか、大切に持っているものがあるのですが、(これって何かの表現に落とし込まないと、私が死んだら永遠に失われてしまうのか…!)と気づき、なら描かないと!と思ったことがきっかけです。

「真夜中にケーキを焼く話」1-06
「真夜中にケーキを焼く話」1-06 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――ゆったりした独特の世界観に共感する声が届いていますが、午後さんが描く際にこだわっていることはありますか?

「のびのびとした線画」と「画面の余白」でしょうか。とくにコマの中に情報を詰め込み過ぎないようにしています。元気があまりないときは、情報量が多いと疲れてしまうので…。

「真夜中にケーキを焼く話」1-09
「真夜中にケーキを焼く話」1-09 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――お菓子作りといっても、「簡単」「できそう」というレシピが多く、でもしっかり欲を(心も)満たしてくれるものですが、午後さんは実際にどうやってレシピを選んでいるのでしょうか?

完全に自分の好みで選んでいます。そのときに食べたいと思ったものや、そのときにハマっている食べものを描いています。

「真夜中にケーキを焼く話」1-13
「真夜中にケーキを焼く話」1-13 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――料理家のなかしましほさんと共作されたレシピも掲載されていますが、どのようなきっかけからですか?

私がXにあげた漫画に、なかしまさんが引用リポストで反応くださったことがきっかけでした。とってもうれしかったです。

「真夜中にケーキを焼く話」1-14
「真夜中にケーキを焼く話」1-14 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――現在3巻まで本になりました。手元に残しておきたいという声も多いです。描き始めたときから、心境の変化など、変わったと思うところはありますか?

年齢を重ねたことも要因としてあると思いますが、以前より少し落ち着いたと思います。自分の小さな頭で考えたことよりも、もっとずっと尊いものが世界や自然の中にあると気づいたといいますか、描くことに対するギラギラとしたがむしゃらな姿勢は少なくなったと思っています。

「真夜中にケーキを焼く話」1-16
「真夜中にケーキを焼く話」1-16 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――本書に込めた想いを聞かせてください。

真夜中に独りぼっちになっている人と、リアルタイムでお話ししたいという願いを込めています。本に残しておけば、いつでもどこにいても誰でも、ページを開いていただければお話しができると思っています。

「真夜中にケーキを焼く話」1-17
「真夜中にケーキを焼く話」1-17 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――読者のみなさまにメッセージをお願いします。

生きていると本当にいろんなことがあってくたびれてしまいますが…適度に休憩を取りながら、一緒に生きていきましょうね。

「真夜中にケーキを焼く話」1-35
「真夜中にケーキを焼く話」1-35 / 画像提供:(C)午後/KADOKAWA

――そのほかどのような漫画を描いてみたいなど、展望があれば教えてください。

描けるのかもいつになるのかもわかりませんが、動物の絵ではない人間の漫画をいつか描いてみたいな、と思っています。


取材協力:午後(@_zengo)

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