
おでかけやレジャーが増えるこの季節、気を付けたい手指のケガ。指先のキズには絆創膏(ばんそうこう)を貼ったほうがいいのか、絆創膏の正しい使い方などについて、よしき銀座クリニック院長の吉木伸子さんに話を聞いた。
■手指のケガやキズには絆創膏を!
――ケガやキズには、やはり絆創膏をしたほうがよいのでしょうか?
【吉木】手指はケガをしやすく、神経が敏感なため痛みも強く感じる部位です。しかし、ケガをしていても日常の作業や手洗いなどをしなければならないので、包帯をするわけにもいきません。やはり絆創膏は必需品です。キズぐちからは体液が出て、その中の成分がキズを治していきます。体液を乾かしたり取り去ったりしないで、湿潤環境(適度に湿った環境)を保つことが、キズをきれいに早く治す近道です。特にハイドロコロイド使用の救急絆創膏は、湿潤環境を保つ力に優れているのでおすすめです。
――ハイドロコロイドの絆創膏を使用する際に気を付けることはありますか?
【吉木】次の3つに、気を付けてほしいと思います。
1.キズの部分だけをハイドロコロイドで覆う
キズ以外の部分も広範囲にハイドロコロイドで覆ってしまうと、肌がふやけやすくなります。また、絆創膏がはがれやすくもなります。ハイドロコロイドはキズの部分だけにあてるのが理想です。特に夏場の多湿の時期には注意が必要です。
2.しっかりと固定し、はがすときにやさしいこと
ハイドロコロイドによるキズ治療では、キズの状態にもよりますが2日~3日に一度の交換が理想です。したがって、ある程度の粘着力が必要。キズにはハイドロコロイド、キズ以外の健康な肌にはしっかりついて固定されるテープでできている絆創膏がおすすめです。ただしはがすときは、肌に負担がかからないようにやさしく。
3.ハイドロコロイドを使ってはいけないキズも
感染している、異物が入っているキズ(うみがでている、トゲや砂など異物が残っているキズ)はハイドロコロイドで覆うと感染する恐れがあるので不向きです。また、出血が多いキズの場合は、出血が治まってから使いましょう。パックリと大きく開いてしまっているキズなど、ハイドロコロイドでキズを寄せられない場合は、医療機関を受診してください。
ちなみに、ハイドロコロイドは切りキズ・すりキズなど「外傷」にのみ使われます。湿しん・かぶれのようにかゆみがあるものや虫刺され、水虫、原因のわからない水ほうなど「キズではないもの」に使用してはいけません。
■ニチバンの担当者にも話を聞いた
吉木先生によると、キズにはハイドロコロイド使用の救急絆創膏がおすすめとのこと。そこで、ハイドロコロイド使用の絆創膏「ケアリーヴ治す力」を販売しているニチバン(株)コンシューマー営業統括本部の浅井征也さんにも話を聞いた。
――ハイドロコロイド素材の絆創膏と通常の絆創膏の違いはどういう点なのでしょうか?
【浅井】ハイドロコロイド素材の絆創膏は「家庭用創傷パッド」といい、「痛みをやわらげ、キズを早くきれいに治す」効果があります。通常の絆創膏は「救急絆創膏」といい、キズの保護が目的です。ケガをするとキズぐちから体液が出てきますが、この体液にはキズを治す成分が含まれています。この体液の働きを最大限に活かし、かさぶたを作らずにキズを治しやすい環境(モイストヒーリング)を作るのが、ハイドロコロイド素材の絆創膏の特徴です。
――「ケアリーヴ治す力」は一見、一般的な救急絆創膏のようにも見えますが…。
【浅井】はい。「ケアリーヴ治す力」は、ハイドロコロイドでキズとその周りの皮膚を覆うハイドロコロイド一体型ではなく、従来の絆創膏と同じ形状で「キズを早く治す機能」と「使い心地のよさ」を兼ね備えた「アイランド型」形状の絆創膏です。キズぐちから出る体液を吸収して保持し、キズを治すのに適した潤った環境を作ることで、皮膚がきれいに再生するのを促します。
――なるほど!そういうことなんですね。最後に、「ケアリーヴ治す力」はどのような方におすすめでしょうか?
【浅井】肌なじみのよさに自信があり、関節の動きにもよくフィットします。キズを早くきれいに治したい、使い心地にもこだわりたいという方に「ケアリーヴ治す力」をおすすめします。
吉木先生によると「ハイドロコロイドはキズの部分だけにあてるのが理想」ということだったが、早くきれいに治したいときには、「ケアリーヴ治す力」を使うとよさそうだ。おでかけやレジャーが増えるこの季節には、家やバッグに常備しておくといいかも!
※「ケアリーヴ」「治す力」「モイストパッド」はニチバンの商標