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「母に捨てられ帰るあてのない少年」がホームレスのおじさんと共同生活…「居所不明児童」の未来とは?【作者インタビュー】

  • 2024年5月8日
  • Walkerplus

戸籍がない、学校に行けない、住む場所がないなどさまざまな事情を抱え、学校や地域から姿を消してしまう「居所不明児童」。近年社会問題として取り上げられることも増えているが、鈴木真澄(@ma_suzuki_mnyt)さんの作品「空中くらげ」では、母親に捨てられ行き場を失った少年が「唯一の知り合い」であるホームレスのおじさんと生活する様子が描かれている。今回、作者の鈴木真澄さんに本作について話を伺った。



■湊が自分の望みを自覚し、それを伝えることで環境が変わっていく「希望の物語」

社会問題を正面から取り上げた本作。鈴木さんはテレビのニュース番組でこの問題を知ったそうで、「居所不明児童という言葉を知ったのが制作のきっかけでした。この日本で所在地の分からない、知られていない子供がたくさんいるということに当時衝撃を受けました」と、本作を描いた経緯を明かす。

一度社会生活の枠から外れてしまうと元に戻るのはかなり大変なこと。だからこそ鈴木さんは、本作について「湊の場合はおじさんとの暮らしを経て自分の望みを自覚し、勇気を出して母に自分の気持ちを伝え、その結果環境が変わっていくという形の希望の物語にしました」と振り返る。

その一方で、「一旦社会生活から外れてしまうと元に戻るのは大変だというのはその通りで、現実としては同じように立て直せるケースばかりではないとも思います。親子にしろ、おじさんにしろ、ラストで割愛した部分にそれぞれの踏ん張りがあるのだと思っています」とも。裏にあるそれぞれの気持ちに思いを馳せることが、この問題を理解する上で重要なのかもしれない。



取材協力:鈴木真澄(@ma_suzuki_mnyt)

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