
昔から漫画を描くことが好きな一二三(@47_taisen)さんは、X(旧Twitter) や公式サイトで「四十七大戦+(プラス)」を投稿。都内のエスカレーターで大阪人と東京人の立ち位置の違いから、ストーリーが展開される。47都道府県を擬人化した個性的なキャラクターが登場し、セリフなどからも地域の雰囲気が感じられる。本作が誕生した経緯や裏話などについて、一二三(@47_taisen)さんにインタビューした。
――本作はどのように誕生したのでしょうか?
もともと商業連載で「四十七大戦」という都道府県擬人化漫画を描いていたのですが、独立をきっかけに「四十七大戦+」という別のタイトルで新しい作品を描き始めました。
――都道府県を擬人化したユニークなキャラクターが多く登場しますね。一二三さんがお気に入りのキャラとその理由を教えてください。
都道府県ではありませんが、滋賀県の琵琶湖の擬キャラ化「びわこ」です(笑)。琵琶湖の伝承にも登場するビワコオオナマズをモチーフにしています。そのほか、本作には秋田犬や尾曲猫など地域にちなんだ動物がたくさん出てくるので、楽しんでいただけるとうれしいです。
――ラストのシーンは意味深ですが、どのようなメッセージ性がありますか?
1話のラストの絵は作画中本当に苦戦して、アシスタントに何度も見せて意見を聞いていました。その時私から伝えていたのは。「特に襲ってくるわけではないけれど、ただそこに存在しているだけで気持ち悪かったり不気味に感じる他者」の怖さを出したいことが伝わっているか、ということです。複雑な絵ではありませんが、1話の中で最も時間をかけたページかもしれません。
――本作では描かれていない都道府県の違いに関する裏話などがあれば、お聞かせください。
今年から各地の同人誌イベントで書籍グッズを頒布しているんですが、売れ方にかなり地域のカラーが出ていておもしろいです(笑)。東京のイベントの場合、来場者数の規模は大きい一方でキャラクターグッズの売上は少なくて、地域(キャラ)への愛着より「作品を買いたい」という方が多い印象です。逆に九州は各県の個性が元からはっきりしているからか、地元など特定地域への愛が強い方が多い印象ですね。基本的にはどの地域の方も温かく迎えてくださる中で、漠然と傾向が生まれてくるのは本当におもしろいなあと感じています。
――読者の方々にメッセージをお願いします。
応援ありがとうございます!今年1月に行なったクラウドファンディングで沢山の支援をいただいたおかげで、現在は全国のイベントを回れています。作品を愛してくれてこれだけの応援をいただけるのは、本当に有難いことだと思っています。今後はもっと体制を整えて、より皆さんの熱量に応えていける作品を描いていければと思っています。これからもよろしくお願いします!
都道府県を擬人化したキャラクターのセリフを聞くと、地域の文化や想いなどが伝わってきて方言にもどこか癒やされる。本作を読んで、ご自身の出身地やなじみある地域のキャラクターをぜひ探してみてほしい!もしかしたら新しい発見があるかもしれない。
取材協力:一二三(@47_taisen)