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猫を愛する声優・明坂聡美が語る「にゃん旅鉄道」の魅力とは?「芦ノ牧温泉駅の物語は継承されて、紡がれていく」

  • 2023年10月27日
  • Walkerplus

福島中央テレビの情報番組「ゴジてれ Chu!」で、毎週火曜日に放送されている人気ミニコーナー「にゃん旅鉄道」。「ねこが働く駅」として知られる福島県の会津鉄道・芦ノ牧温泉駅を舞台に、働くねこたちの様子を紹介している。約1分間の短いコーナーながらTVerでは、この4年間で総再生数170万回を突破し、なんと映画も公開された。

2023年10月30日(月)に発売される書籍「にゃん旅鉄道~さくらの物語~」は、そんな「にゃん旅鉄道」をモチーフにした創作漫画。昨年亡くなった猫駅長の長男らぶ、マイペースな次男のぴーち、そして、現在アテンダントとして活躍している末っ子さくらの1年間を描いた物語で、WEBサイト「ウォーカープラス」での連載分に加え、書籍限定エピソードも加筆されている。


ゆきよみさん(@yukiyomi333)の温かい絵柄が四季の美しい芦ノ牧温泉駅へと誘う漫画を、一足お先に劇場版『にゃん旅鉄道』でさくらの声を担当した声優の明坂聡美さんに読んでもらい、感想を伺った。芦ノ牧温泉駅を訪れたことのある明坂さんは、現地の風景や実際のさくらを思い出しながら、漫画の感想を聞かせてくれた。

■芦ノ牧温泉駅の風景がそのまま落とし込まれているアルバムのような漫画

――明坂さんが芦ノ牧温泉駅を訪れたのは、いつ頃のことですか?

2022年の夏です。劇場版の公開に併せて、会津鉄道さんで映画のラッピング電車が走ることになって、除幕式に出席させていただいたんです。それでせっかくなので、さくらちゃんのお勤めの時間に行ってみようと前日入りして、駅舎にお邪魔しました。さくらちゃんは人見知りしてしまうときがあるらしいのですが、すぐに懐いて抱っこさせてくれて、すごくうれしかったです。

――漫画では福島県の四季折々の風景やのんびりとした猫たちの様子が描かれていますが、ご覧になっていかがでしたか?

まず、やわらかいタッチのイラストを見て、「かわいい!」と思いました。お客さまたちがさくらちゃんたちに話しかけたり、撫でたりしている実際の芦ノ牧温泉駅の風景がそのまま落とし込まれているなと!実際に行かれたことのある方は思い出のアルバムを開くような気持ちで読まれるのではないでしょうか。また、四季折々の季節の描かれ方も丁寧で、本当に匂いがする感じがしました。

――漫画には猫たちだけのシーンも多いですが、実際の猫たちもそうだったんですか?

3兄妹はとても仲が良かったみたいです。当時のさくらちゃんは外に出ている時間が短かったのですが、駅舎の中ではらぶくんを追いかけて一緒に寝ようとしているのを見かけました。残念ながら私はぴーちくんに会えなかったのですが、映画ではらぶくんとぴーちくんとさくらちゃんの3兄妹がくっついているシーンもあって、漫画のようにほんわかしていたみたいです。

■長男との別れを描いたエピソードにウルウル…!!

――漫画を読んで、印象的だったエピソードは?

らぶくんがぴーちくんとさくらちゃんを誘って、空の鉄道の旅に出るエピソードです。あれは泣いちゃいます。劇場版「にゃん旅鉄道」は、亡くなった初代駅長のばすさんがこんなことを思っていたのではないか?という物語でしたが、今度はらぶくんが見守る番になったのかと思うと、ちょっと切なかったです。

――空の旅のエピソードは、著者のゆきよみさんも悩まれたと言われていました。漫画を読む方には楽しい気持ちになってほしいけれど、昨秋、亡くなったらぶくんとのお別れシーンを描かないとさくらたちが前に進めない。なので、とても試行錯誤されて描いたそうです。

らぶくんの「寂しくなったらお空を見上げてごらん」というセリフを見たときは、読者としてうれしくなりましたし、こうして芦ノ牧温泉駅の物語は継承されて、紡がれていくのだなと思いました。

――確かに「にゃん旅鉄道」は、初代のばす駅長から“つながる”ことが一つのテーマになっているように感じます。ほかにも印象に残っているシーンはありますか?

ちょっと笑っちゃったのが、秋になるとあらわれるカマキリについて、ぴーちくんがさくらちゃんに「秋の味覚」と説明するシーンです。それを読んで、昔飼っていた子がセミを食べていたことを思い出して、くすりと笑ってしまいました。すごく野生的な子だったんです。それから、猫たちが雪に埋もれているシーンも印象的でした。

――猫は寒がりのイメージでしたので、雪の中を歩いていることが意外でした。

私も猫はこたつで丸くなったり、人で暖をとったりするイメージだったので驚きました。しかもばす駅長もらぶくんも、冬でもホームを渡って、電車の確認に向かうんです。ちゃんと駅長している!と驚きました。

■猫は寄ってきたり、離れたり、自由気まま。その絶妙な飴とムチ感が魅力

――明坂さんは実際に猫を飼われていたそうですが、猫の好きなところは?

これまで3匹飼ったことがあるのですが、猫は家に迎えると“一個人”になるというか、人のように佇んでいるんですよ(笑)。犬を飼ったこともあって、犬は「ご主人様、大好き!」という感じでそばにいてくれて、それはそれでかわいいですが、猫は自由気まま。「ほっといてくれ!」というときもあれば、こっちが忙しいときに限って「構ってくれ!」とやってきたりする。でも、こちらの具合が悪いときはずっと横にいてくれたりして。この絶妙な飴とムチ感が魅力なのかなと思います!

――何とも言えないギャップがありますよね。

そうなんですよね〜。以前、見守りカメラを付けていたときに目撃したんですけど、私が出かけて2時間ほどすると寂しくなるのか、玄関先でずっと待っていて、えー!?ってなりました。出かけるときは何度呼びかけても無視してたのに、何で!?って。あの距離感は不思議ですね。最近亡くなってしまったなずなは、人見知りが激しい気分屋だったので、私に擦り寄るときとそうじゃないときの差が激しかったですが、「愛すべき隣人」という感じでした。

――猫は一度好きになると、抜け出せない魅力がありますよね。

ありますね。猫はいつ見ても新鮮で、新発見があって、そして、振り回される(笑)。猫はあまりしゃべらないといいますが、うちの歴代の猫たちはよくしゃべっていました。こちらの言葉を発する量が多いとそうなるのでしょうかね?「にゃんにゃか」言ってました(笑)。

――セリフの練習などをしていると一緒にしゃべったり?

そうなんです。セリフで「今から行くぞ!」とか言うと、にゃーって!一緒に言ってくれていたのか、「うるせー」と言っていたのか判断できないですが、ずっと隣で「にゃんにゃん」言ってました(笑)。

――かわいい猫トークを聞かせてくださって、ありがとうございます。

劇場版「にゃん旅鉄道」の声優陣は、全員“猫飼い”なので、猫あるあるを話しだしたら止まらないと思います(笑)。

■漫画を読んで、実際に駅に行ってみたいと思う人が増えたらステキ!

――劇場版「にゃん旅鉄道」のDVDが11月22日(水)に発売されますが、演じる際に意識したことは?

劇場版のさくらちゃんはまだ生まれたばかりで、お仕事はそこまでできていませんでした。“初めてお兄ちゃんたちに会って、駅に勤めます”という状況で、「お兄ちゃんたちに全力で甘えてください」と言われていたので、無邪気にかわいく、やんちゃに演じました。なので今、アテンダントとして頑張っている姿を見ると、親心のようなものを感じてしまいます(笑)。

――漫画では、そこから成長していく姿が描かれているんですよね。

劇場版にも出てくる、さくらちゃんがサクラの木から降りられなくなって、もぞもぞしているシーンも描かれていて。フィクションとノンフィクションが入り混じっているので、いろんな角度から楽しめる漫画だなと感じました。

――漫画やDVDを通じて、初めて「にゃん旅鉄道」を知る方もいらっしゃると思います。そういった方々に、メッセージをいただけますか?

まず、四季折々の季節の美しさと、駅を訪れる人々のやさしさに圧倒されると思います。私も劇場版の映像を初めて観たときに、「こんなに温かい場所がまだ日本にあるんだ!」と心からほっこりしたので。そして、実際に芦ノ牧温泉駅に行ってみたら本当に温かい場所で、実在していることに感動を覚えました。とても癒される場所だと思うので、漫画を読んで「行ってみたい!」と思う方が増えたらステキだなと思います!




取材・文=及川静

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