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神様は1人、2人とは数えない⁉ちょっと特殊なモノの数え方

  • 2023年10月23日
  • Walkerplus

こんにちは。クイズを愛する2児のサラリーマンけんたろ(@kenlife202010)です。クイズ好きが高じて、日本語や雑学に興味を持つようになり、X(旧Twitter)やVoicyではクイズを中心に言葉の知識や雑学ネタを発信しています。 

こちらでは「言葉にまつわる知識」をテーマに、よくある日本語の間違い、実は知らない身近なモノの名前、漢字、社会人としての言葉、言葉の雑学などをお伝えしていきます。

今回は「数え方」です。

物を数えるとき、本は「1冊、2冊…」、車は「1台、2台…」、家は「1軒、2軒…」など日本語では数字の後ろに助数詞と呼ばれるものを使います。この助数詞を我々日本人は当たり前のように使いこなしていますが、対象や状況によってさまざま存在します。今回はそんな助数詞の中で、ちょっと特殊なものや、日本人でも知らないようなものを厳選して24個ご紹介します。

基(き):
建物の四角い土台・基盤や、置物、設置された乗り物などを表すのに使われます。例えば、ダム、タワー、発電所、記念碑、大型スクリーン、エレベーターなど。また、図にあるような神仏関係にも使用され、墓、古墳、ピラミッド、神輿などにも使用されます。

柱(はしら):
日本古来の神や神体などを数えるときに使います。ほかには位牌を数えるときに使われます。木には神が宿ると言われたことに由来します。「人柱」という言葉もありますよね。

位(い):
通常、等級や順番を表すのによく使用されますが、心霊の宿る場所を表すことから、死者の霊を数えるときにも使われます。

杯(はい):
「小さじ1杯」など分量の目安を表すのに使用される一方で、イカやカニなどを数えるときにも使用されます。ただし、イカやカニが生きているときは「匹」で数えます。商品として市場に出てからは「杯」で数えられます。この由来は、「杯」の漢字が元々中に水などを注げる甕型(かめがた)の容器を表しており、イカの胴体がイカ飯やイカ徳利などにも利用されるように器の形をしていることからという説があります。カニも形は違えど、甲羅が丸い容器のような形をしているため「杯」が使われます。

頭(とう):
原則的には「頭」は大型の動物を数えるのに使われ、蝶は「匹」で数えます。慣用的に「頭」が使われますが、その理由は諸説あり、一説には西洋の動物園に由来する説があります。西洋の動物園では、飼育している生物を種類関係なく、”head”で数えていたそうです。日本語でも「頭数を数える」という言葉がありますよね。次第に昆虫学者が論文などでも蝶の個体を”head”で数えるようになり、20世紀初頭に日本語に訳された際に定着したとされます。

羽(わ):
基本的には「羽」は鳥類を数えるのに使われ、ウサギは「匹」で数えます。慣用的に「羽」が使われますが、その理由は諸説あります。おもしろい説としては、ウサギの“サギ”は鳥の鷺から来ている説があり、大きく長い耳から鳥の仲間とされていたために「羽」で数えられていたと考えられます。

房(ふさ):
房状になった花や果物などに使われます。ブドウにおいては、ブドウの木は「本」や「株」で数えますが、ブドウの実は「粒」、実のついた房は「房」で数えます。

貫(かん):
古くは尺貫法の基本単位として重さの単位を表していました。また、貨幣を数える単位でもあり、貨幣を穴のあいた銭に紐を通して繋ぐことを意味していました。これが握り寿司に関係するところで、かつて握り寿司はこの穴あき銭1貫の大きさと同じくらいの大きさだったことから「貫」と数えるようになりました。次第に食べやすいように、半分に分けられるようになり、握り寿司2個で1貫とするところも多いです。

枚(まい):
基本的には平面的な物を数えるのに使われます。そばは盛り付け方の違いからざるそばや盛りそばは「枚」、椀や丼に盛っていると「杯」と数えられます。それ以外にも少し変わった「枚」で数えるものとしては、仕事を担う対象として「一枚噛む」、役者の数え方に由来する言葉で「二枚目」、切り取った部分を数えることから「魚を3枚に下ろす」などがあります。

株(かぶ):
基本的には根のついた植物のひとまとまりに対して使われます。そんなひとまとまりの形に似ているためブロッコリーやカリフラワーは「株」で数えます。また、サラダなどで食べるときに小分けにされたブロッコリーは「房」と数えます。野菜の数え方も形状によってさまざまで、ニンジンやゴボウなど細長い野菜は「本」、ジャガイモやトマトなどの細長くない手に収まるサイズの野菜類は「個」、キャベツやレタスなどの葉物が球状になっている野菜は「玉」と数えます。

丁(ちょう):
現在は「豆腐1丁」というと豆腐1個を指しますが、「丁」は偶数を表す言葉で、昔は「豆腐1丁」で2個分を指していました。現在ではスーパーなどで買うときは「丁」より「パック」と呼ぶことの方が多そうです。

腹(はら):
元々甕や壺などのような胴部のふくらんだ器物を数えるのに使われます。そのためたらこや白子は「腹」で数えます。ちなみに魚卵一つずつは「粒」で数えます。

玉(たま):
基本的には漢字の通り、球状の物を数えるのに使われます。「株」の説明でも記載しましたが、キャベツやレタスのように平たい物が重なり合って球状になった葉物野菜を数えるのにも使用されます。ただ、「個」でも数えます。

膳(ぜん):
料理自体のことや料理をのせる台を表す言葉です。この膳に箸2本が必ず付いてくることから、箸2本を1対として「膳」と数えられるようになりました。そのため、食事に使わない火箸や菜箸は「膳」とは数えず、「ひと揃い」「ひと組」などと数えます。ちなみに割り箸は未使用の場合は「本」とも数えます。

包(ほう):
漢字の通り、包んだもの数えるのに使われるため、粉薬などの包みに使われます。また、粉薬など1回分服用する分量の薬を数えるときは「服」が使われます。

挺(ちょう):
まっすぐな棒を表し、手に持って使う道具や武器を数えるのに使われます。バイオリンは弓で弾く楽器のため、弓を数えることから「挺」で数えます。ちなみにオーケストラの中のバイオリン(奏者)は「本」で数えます。

面(めん):
表面部分で演奏する日本古来の楽器、例えば琴・太鼓・琵琶などに使われます。琴に関しては弦を張っている楽器でもあるため、「張り」「張(ちょう)」とも数えます。また、「面」はさまざま使用される助数詞で、顔を覆う面、鏡、大型テレビやモニター、新聞のページ、碁盤や将棋盤、コートやプール、ゲームのクリアすべき場面などにも使われます。

反(たん):
布の大きさの単位を表す語で、古代中国の長さの単位をもとに作られた成人一人分の衣料に相当する布の分量です。現在の着物の1反は幅36.1センチ、長さ11.4メートルとなっています。また、2反で1匹と言います。

艘(そう):
細長い船を表す語で、船舶を数えるのに使われます。「隻」も使われますが、ボートのような走行性の低い船には「艘」で数えられる傾向があります。また、競技用のボートやヨットなどは「艇(てい)」や「杯」で数えます。

張り(はり):
布・紙・革を張って使う道具類や弦を張って使う物を数えるのに使われます。特にテント・幕・蚊帳などに使われ、「張(ちょう)」で数えることもあります。

舖(ほ):
敷き並べることを表す語で、畳んである状態から広げて使う地図や書籍類を数えるのに使われます。地図は「枚」でも数え、小さい地図だと「葉(よう)」とも数えます。

棹(さお):
昔、タンスや長持に棹をさして運んだことに由来します。現代ではタンスを「台」で数えることも多くなっています。また、棹物菓子である羊羹や外郎(ういろう)などを数えるのにも使われます。

双(そう):
ペアとして扱われる物を数えるのに使われ、手袋のほかにも屏風や籠手を数える際にも使われます。また、手袋は「対」とも数え、軍手のように左右が決まっていない場合には「組」とも数えます。

片(ひら):
雪・花びら・紙吹雪などのように、薄く平らで、宙に舞うほどの小さいものを数えるのに使われます。「ひとひらの雪」と表現できたらオシャレですね。

いかがだったでしょうか?

無意識で使っているものもあったり、全く知らないものもあったりと助数詞の奥深さが伝わったのではないでしょうか。ただ、絶対的な正解があるわけではありません。時代や地域によっても異なってきます。「これってどう数えるんだろう?」と思って調べてみると、さまざまな発見があるかもしれません。

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