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見知らぬ人に「ビンのフタ開けて」って頼める?フランスで体験した“海外で生き抜く処世術”に「優しい世界」「思いやり」の声【作者に訊く】

  • 2023年6月22日
  • Walkerplus

「ちょっとした困りごと」を他人に頼むのに尻込みしてしまうという人は少なくないはず。けれど、所変われば品変わるというように、頼みごとがなんでもないというところもあって……。
パートナーとともにフランスで暮らすしばひろ(@hirokokokoro)さんがTwitterに投稿したエッセイ漫画「時には図々しさも必要」は、ビンの蓋が開かないという小さな困りごとを描いた作品。読者からは3.1万件を超える「いいね」とともに「優しい世界」「図々しさというより思いやり」とさまざまな反響が寄せられている。作者のしばひろさんに、同エピソードの舞台裏を聞いた。

■ビンの蓋が開けられない!そんなとき、隣人に頼んでみたら…

しばひろさんは、フランス人のパートナー・ガイックさんと、昨年生まれた子供とともにパリ郊外で生活を送っている。ガイックさんや赤ちゃんとの日々や、日仏カップルの視点で見た日常の気付きを漫画としてSNSに公開しており、「うちのガイックさん」や、今年6月に発売された「ガイックとのフランス暮らし」として単行本も刊行するなど人気を集める作家だ。

今回話題を呼んだのは、しばひろさんが5月に投稿したエピソード。しばひろさんが困っていたのは、固くて開けられないビンの蓋。頼めば開けられそうなガイックさんは不在という状況で悪戦苦闘していた。

そんなとき思い出したのが、パリに住む日本人の友人とのピクニックでの一幕だった。二人とも、持ってきたワインのコルクに四苦八苦していた際、友人は「こういうのは誰かにやってもらおう」と、近くのベンチに佇む男性のもとへ向かう。

「え、ほんとに?」と戸惑うしばひろさんだったが、見知らぬ男性は事もなげにコルクを開け、それに友人はメルシーと感謝を告げあっさりと戻ってきた。

そのときのやり取りに勇気をもらったしばひろさん。「よし!」と意気込み、隣人に「ビンのフタ開けてください」と頼みに行くことに。やはり隣人も当たり前のように手伝ってくれ、無事ビンの蓋は開いたという体験談だ。

■しり込みしがちな「見知らぬ人へのお願い」に反響さまざま

しばひろさんは「図々しさ」と表現したものの、読者からは「図々しさというより思いやりと優しさ」「こういう程度のやり取りをお隣さんとできたらいい」と、何気ない助け合いにほっこりしたという声が多く寄せられたエピソード。一方、「日本だと隣人に頼むの気まずいですねぇ」「開けられなかったらその方に恥かかせちゃうかも…とか考えちゃう」と、頼みづらさを感じる人のコメントもあり、文化や習慣の違いを考えさせられる作品にもなっている。

作品に描かれている通り、見知らぬ人への頼み事に最初は及び腰だったというしばひろさん。ピクニックでの体験には、「もともととても社交的な友人ですが『まさかワインの栓を開けてもらうのも誰かに話しかけるとは!』と思いました。よくやるそうです」と振り返る。

一方、「これが海外で生き抜く処世術かと勉強になりました」とも話すしばひろさんは、今回描かれたビンの蓋だけでなく、「スーパーで高いところのものを他のお客さんに取ってもらったことがあります」と、ちょっとした頼み事をする場面が増えたと話す。また「スーパーで『このヨーグルトはおいしい?』とか、『このスープにクリームはどれくらい入ってるかわかる?』と聞かれたこともあります」と、自分自身が誰かに頼まれ事をされることもままあるのだとか。日本でも決してないことではないけれど、距離感の大らかさを感じさせるエピソードだ。

また、「うちのガイックさん」や「ガイックとのフランス暮らし」という著作のタイトルからもわかるように、しばひろさんのエッセイ漫画である種の“主役”とも言えるガイックさん。今回のお話ではガイックさんがいないことからはじまったように、最近のエピソードではフランスの日常や子供とのやり取りなど、ガイックさんが不在のお話も多く描かれている。

ガイックさんがいる話・いない話で漫画を描くときに「あまり差はありません」と答えるしばひろさん。一方、「ガイックが出ないことが続かないように気をつけています」と、制作上のバランスを教えてくれた。

取材協力:しばひろ(@hirokokokoron)

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