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母は統合失調症!父は無関心、8歳の娘が洗濯・料理・掃除、自分を捨て家族のために生きる「ヤングケアラー」の実話【作者に聞いた】

  • 2023年4月28日
  • Walkerplus

統合失調症の親を持つ「ゆい」は小学3年生だが、洗濯・料理・掃除などの家事全般をまかなう。そんな「ヤングケアラー」を題材にした水谷緑(@mizutanimidori)さんの『私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記』(文藝春秋)を紹介する。本作は、実際にヤングケアラーだった方々の取材に基づいて描かれており、1人の少女が家族という形を守るために自らの心を閉ざし、再生するまでの物語を描いている。


■統合失調症の母に振り回される日々。8歳の少女は家事全般を担い、家族のために生活をしている
主人公・音田ゆいは、母親が統合失調症という心の病を患っている。父親は弟のことばかり面倒を見て、母のことは無関心。祖父は認知症で会話もままならない。ゆいは8歳の小学3年生だが、物心ついた時から洗濯・買い物・料理・掃除など、家事全般のできることを担っていた。

学校が終わるとその足でスーパーへ。献立を考え、家族のご飯を作る。帰宅して母親の様子をチェックする。体調が優れない時は、暴言を吐いたり、暴れたりと手に負えないので、押し入れに隠れた。こんな時は主に薬を服用していない時だ。

小学3年生が家事全般をこなして家庭を支えているが、それが「普通」になっているため困ったり、疑問に思うことがなかった。彼女は中学生に上がってようやく、自分の家庭がおかしいということに気づく。

母親が暴れずにいてくれればと、いつしか心を無にして生きることが当たり前になってしまっていた。本心を語ることなく心を閉ざしてしまった後遺症は、彼女が成長しても続く。


■小学生の15人に1人という割合でいるヤングケアラー
認知度が低いヤングケアラーだが、実際は小学生の15人に1人という割合。本作は約2年をかけて10人以上の方にオンラインや対面、メールで何度も取材をしたという。

――漫画を読んでいると、環境が当たり前になっていて自分がヤングケアラーだと気付かない場合もあると思いました。同じような状況の人は、まずどのような対処をすればいいのでしょう?

困っていることに気づかないことが大半だと思うので難しいと思いますが、子供でも大人でも「自分には権利(力)がある」(自分は自分が話したいことを話し、やりたいことをやることが許されている、むしろすべき)という意識を持ってる方は違うなと思います。助けを求める発想につながります。若い人でしたらまずは、普段自分が使ってるツール(SNS)で自分と似たような境遇の人や、支援団体を見つけるといいのではと思います。力になりたいと思ってる人はたくさんいます。

本作は主人公「ゆい」が学生生活を経て、就職、結婚、子育てを経験する中で、心を殺した自分と向き合い、再生するまでの物語た。漫画は10代の当事者でも読めるように全てルビ(ふりがな)つき、ヤングケアラーの支援団体なども記載されている。


取材協力:水谷緑(@mizutanimidori)

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