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“キュン”がテーマの「卒業」4コマで想定外の涙腺崩壊…「4コマでここまで綺麗な話を」と感動呼ぶ【作者に聞く】

  • 2023年4月29日
  • Walkerplus

一つのお題やテーマでさまざまな解釈やストーリーが描かれるのが競作の大きな魅力。「卒業」をテーマにキュンとする作品を描くTwitter上の競作で、恋愛とは違う方向性で心を打つ情景を描いたオリジナルの4コマ漫画に「4コマでここまで綺麗な話を描けるなんて凄い」「惚れました」と、6000件以上の「いいね」が寄せられている。

作者は、「4コマ漫画1000本ノック」として、Twitter上で4コマ投稿を続ける津夏なつな(@tunatu727)さん。Twitterユーザーの自主企画「キュンバト」にて初代の優勝作となった4コマを紹介するとともに、“お題”をもとに作品を作る時の変化など作品制作について津夏さんに話を訊いた。

■「卒業」するのは少年だけじゃない…卒業式後の親子の会話に涙
反響を呼んだのは、津夏さんが3月、自身のTwitterに投稿した4コマ漫画「卒業」。Twitterでオリジナルの4コマを描く作者が集まって行われた「キュンバト」(@kyunbato)という自主企画への参加作として描かれた作品だ。

卒業式を終え帰宅した不良少年。その手には花束が握られており、少年の母は「あんたみたいな不良にもお花を贈ってくれる後輩がいるんだ」と驚きを見せる。

だが、少年は「ちげーって」とその花束を母に手渡し、背を向けながら「母ちゃんも今日で卒業ってこと!」と話す。

「苦労ばかりさせてごめんな」とぶっきらぼうに感謝と謝罪の気持ちを母に伝える少年。「これから俺がこの家守るから」という息子の言葉に、堰を切ったように涙する母。会話を交わす部屋の片隅には、父の遺影が飾られていた――。

■“他人が描かなそうなアイデア”を 競作に臨む意識とは?
「卒業」という言葉でキュンと来るシチュエーションと言えば、恋愛模様を想像してしまうもの。そんな予想を見事に裏切り、家族の絆を描いた同作には「四コマ漫画で泣きそうになったこと初めて」「なんかぶわってきた」と、読者から感動のコメントが数多く集まった。

Twitterでオリジナル作品を発表する津夏さん。作品はAmazon Kindleインディーズにて無料の電子書籍『よりぬき4コマ1000本ノック』としても公開しており、その作風はシュールな構成やブラックなオチまで幅広く、笑える内容が多い。それだけに、今回紹介した「卒業」はユーザーから「いつもの作風と全く違うから動揺してしまいます」という感想も寄せられていた。

ウォーカープラスでは本作の反響を受け、津夏さんにゼロから生み出すアイデアとお題が設定された時の違いや、競作に参加する上でのチャレンジをうかがった。

――「キュンとするシーン」がテーマの競作「キュンバト」に参加した作品ですが、恋愛テイストではなく感動的なシチュエーションを描いています。こうした切り口で描いた理由を教えてください。

「同じお題に沿って多人数で4コマを描く企画の場合、他の参加者が描かなそうなアイデアを考えるよう常に心掛けています。今回のキュンバトのお題『卒業』と聞いた時、卒業にちなんだ男女の恋愛がパッと思い浮かんだので、それなら男女の恋愛ではないアイデアで作れないかと考えました。

卒業というイベントは子供が主役ですが、親にとっても大きなイベントの一つだと思います。立派に育った子供の姿を見て感じる親の“キュン”は、嬉しさでもあり、また寂しさでもあると思います。そんな複雑な気持ちを表現できればと考え、この作品を描くに至りました」

――作品の「お題」が与えられた場合と自由にアイデアを考える場合で、アイデアを生み出すプロセスに違いはありますか?

「何気ない時にパッとアイデアを思いつく時は自由なテーマで描けるのですが、当然そんな日ばかりではないので、基本的にはオリジナルでも自分でお題を設定してアイデアをひねり出すことの方が多いです。どうしても思いつかない時は、他の方が描いている作品を参考にして、テーマだけ拝借したりすることもあります。いずれの場合でも面白いアイデアを思いつくことがありますし、そんなに差はないかもしれません。また、同じお題を多人数で描く場合は、他の方の作品を読むのが面白いですし、とても勉強になります」

――また今回の作品は、読者から「普段と違う」といったコメントも寄せられています。企画を意識して異なるアプローチに挑戦した部分はあるのでしょうか?

「いつもは描かないような思いっきりあざとい作品を描こうと思いました(笑)。こういう感動してもらいたくて描くような作品は、気恥ずかしさがあって少し勇気がいるのですが、今までチャンレジしたことのないジャンルでしたので真面目に挑戦しようと思いました。描いてみてとても新鮮でしたし、本当に楽しかったです。できあがった作品は普段描く低次元なギャグ漫画と比べてものすごくギャップがありましたが(笑)、いつも読んでくれている方々がこの作品を受け入れてくれたのはすごく安心しましたし、やっぱりいつものギャグが読みたいという声も同じくらい嬉しかったです」

――津夏さんは「4コマ1000本ノック」として日々作品制作を続けています。今後の抱負を教えてください。

「とにかく多くの人に読んでもらえるような作品を今後も目指して描きたいと思っています。また、今回のように今まで挑戦したことのないジャンルにも挑戦していきたいです」

取材協力:津夏なつな(@tunatu727)

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