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ヘッドフォンから大音量!!だからって怒鳴ることないのに…「大丈夫?」声をかけたらまさかの返し!?言葉ひとつで救われる【作者に聞いた】

  • 2023年4月24日
  • Walkerplus

ヘッドフォンの音量が大きい!と若者の襟首を掴んで怒号を浴びせたサラリーマン。若者を突き飛ばして、店を去る。飲食店で揉め事に遭遇した女性は「そこまでしなくても…」と言う思いが募り、突き飛ばされた若者に「大丈夫ですか?」と、優しく声をかけた。すると、若者から悪意しかない言葉を浴びせられた――福々ちえさんの『モヤモヤ社畜OLと、勇気のマサラカリー』に1.3万を超えるいいねが届く。勇気を出した声かけやその後の展開に「いい話」「勇気を出すって素晴らしい」などのコメントが集まっている。

福々さんは、漫画家&イラストレーターとして活動中。現在は、『4年付き合っても、結婚してくれない彼と別れました』をTwitterで毎日投稿している。また、「お金がないと幸せになれない」と思っていた女性が、稼いでも稼いでも孤独や不安感が消えないコミックエッセイ『稼いだら幸せになれると思ってた』などの著書がある。

■激辛スパイスでもやもやを吹き飛ばしたかっただけなのに――
午前中から上司のお小言を耳にして、もやもやが溜まっていた主人公。ランチタイムに気分転換をしたくて、スパイス強めのマサラカリーを食べに出かけた。

すると店内で、サラリーマンの男性がヘッドフォンをした若者に怒号を浴びせる事件に遭遇。肩をドン!とどついて、店を出ていく男性に店内は騒然となった。

女性は俯く男性が泣いていることに気づき、「大丈夫ですか?」と声をかけると、まさかの罵声を浴びせられてしまった。

もやもやを吹き飛ばしたくて大好きなカレーを食べにきたのに、勇気を出して声をかけたのに、なぜ「大丈夫?」と声をかけただけで、文句を言われなければいけないのか。さらにもやもやが募ってしまった女性。

そんな時、店内にいたお客さんや店員さんの温かい声がけに、なんとか心が救われた。誰かにフォローの言葉をかけてもらえるだけで「こんな救われた気持ちになれるんだ」と、気づいた女性は、上司に怒鳴られていた後輩に対して何もできずにいた自分に勇気を出してみようと行動を起こした――。

■人間にはひとりひとりドラマがある。その葛藤を知れば「世界がやさしくなるかも」と思いを込めて

――飲食店で揉めごとですが、これは実際に福々さんが体験したお話ですか?

一部のみ体験したエピソードです。昼間の駅で揉めてる人を見たんですよね。サラリーマンの方が、同じくサラリーマンの方の襟首を掴んで叫んでいて。「何事!?」と思ったと同時に、“私これ見なかったことにして通り過ぎていいのかな”と自問自答しました。こういう自分の「正しさ」を揺さぶられる瞬間ってあるなぁ、と。それをテーマに作った漫画が、今回の『もやもや社畜OLが、スパイスカレー食べて元気になる話』です。

――どこから実話で、どこからフィクションとして作ったのでしょうか?

男性同士が争っている部分やスパイスカレーで元気をチャージしようとする行動は、私の実体験です。

――本作は続編として、同じ店内に居合わせた女性視点で『仕事のできる女と、怒りのバターチキン』を描かれていますね。続編を描いた理由はありますか?

たまたま同じ店にいた女性を視点を変えて漫画にしたのは、より現実世界をやさしく受け止めてもらえたら、との思いからです。2作目は、1作目と違っていわゆる「嫌な女」を主人公にしました。同じくカレーを食べて奮起したはずが、逆に自分を追い込む事態になっちゃって…と受難が続きます。こんな風に、人間にはひとりひとりドラマがあるんですよね。たまたま隣り合わせた、同じ場所にいた、すれ違った。そんな人達にも、それぞれ葛藤やドラマがあると想像できれば、世界がやさしくなるかも…なんて考えたりします。

――福々さんが漫画に込めること、気をつけていることはありますか?

私の漫画は、人間讃歌がテーマです。悪者はいません。悲しい人や弱い人がいるだけです。私は親のことでずいぶん長く恨みつらみ(笑)を持ってたのですが、「親にも事情があったんだ」と気づいたら、怒りが溶けて消えた体験があって。この体験を読者さんにも疑似体験してもらえるような、そんな漫画を描いていきたいです。

――その他にどのような漫画を描いていますか?

夫婦エッセイや、過保護ママをテーマにしたセミドキュメントを描いています。導入は重めに描くことが多いですが、読後感は良いので、安心して読んでいただければと(笑)。ホームページに全作品掲載しておりますのでご覧ください。

言葉ひとつで、1人の気持ちを変えることができると気づいた女性。さらに、続編は同じカレー屋に居合わせた仕事ができる女が、仕事のできない後輩に手柄を取られて、もやもやする話を描く。カレーでつながるリレー方式のエッセイ漫画に、今後も注目したい。

■取材協力:福々ちえ(@fukufuku_comic)

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