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【NMB48 衣装図鑑】『ヴァージニティー』山本彩着用/『妄想ガールフレンド』渡辺美優紀着用の衣装を徹底解説!生地に潜むグループ愛としっぽの着脱方法に注目

  • 2023年2月3日
  • Walkerplus

大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2023年には結成13年目を迎え、メンバーたちはバラエティタレントにモデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。

そんなメンバーの個性を彩ってきたのが、オリジナルの衣装たち。この記事では、その多種多様な形や色、制作の裏話をご紹介!NMB48の衣装デザインからスタイリングまでを担当する松永麻里さんにたっぷりとこだわりを語ってもらう。

月替わりで登場する案内人は、TikTokで「NMB48衣装図鑑」と称して衣装の細部や着脱方法を紹介しているれいこちゃん(前田令子)、将来は“自分のブランドを持つ”という夢を持ち、メンバーの衣装作りも経験したことがあるかれんたん(原かれん)の2人。一体どんな制作エピソードが飛び出すのか?

■初の色分けでメンバーの個性を生かした『ヴァージニティー』
まずは、松永さんによる衣装紹介!記念すべき第1回で紹介するのは、さや姉(山本彩)がセンターを務めた5thシングル『ヴァージニティー』のMVで着用された衣装。B面に収録された『妄想ガールフレンド』と共に、松永さんが初めて本格的にNMB48のMV衣装を担当したものでもある。

当時は曲調もタイトルもわからないなかで衣装の制作が始まり、約5日間で完成させたそう。「最初は『こんな風景でMVを撮ります。衣装は制服ベース』という企画書だけが回ってきました。AKBグループにとって、“制服で踊る”というのは外せない要素ですね。途中で曲ができて衣装に要素を落とし込んでいったのですが、撮影日がギリギリに迫った時、曲名を聞いてびっくりしました(笑)。思っていた以上にセクシーで激しく、でもそのなかに乙女っぽさやかわいらしさがあって…。カフスはあえて片手だけ装着にしました。武士のように右手に刀を持った乙女が、左手で純潔を守り抜くようなイメージです。当時、カフスは両方に着けるのが主流だったので変じゃないかと不安だったんですが、上手くはまってくれました。メンバーは当日にダンスを覚えて、そのままMVを撮るからすごいですね」と松永さんは話す。

この衣装の1番のポイントは、オリジナルの生地。よ〜く見るとわかるのだが、「NMB」の文字が模様の中に並んでいるのだ。「生地屋さんと何度も打ち合わせをして、文字をさりげなく忍ばせられるラメジャガード生地を選びました。これ以降も、NMBの衣装はよく見たら豹柄だったりと、NMBらしい遊び心のある衣装を作らせていただいてます」

早着替えにも対応できるよう、脱着のしやすさも重要なポイント。トップスはボタンではなくファスナーが使われ、飾りもスナップで外しやすくなっている。


■ネコ耳と大きなしっぽがインパクト大!『妄想ガールフレンド』
『ヴァージニティー』のB面として発表された『妄想ガールフレンド』は選抜メンバーが同じながら、まったく印象が異なる楽曲。センターポジションを務めるみるきー(渡辺美優紀)をはじめ、全員が白ネコに扮したMVが印象的だ。

『眠眠打破』のCMにも起用された同曲。「ニャンニャンニャハ!」と叫ぶメンバーは全員が「○○ニャン」と名付けられ、それぞれを表現した格好をしている。みるきーは「ワルニャン」として、胸元のレースアップや肩口のチュール生地、リボンに小悪魔感のある黒が取り入れられているのが特徴。「この後、みるきーのソロ曲である『わるきー』に派生したりと、いろんなことが始まるきっかけとなった衣装です」と松永さん。ハートのフロッキー加工が印象的なチュール素材は、みるきーが自身の卒業コンサートのオープニングで『わるきー』を歌った時の衣装にも、色違いの生地が使用されたという。


2011年1月1日の「誰かのために」公演で本格的な活動を開始したNMB48。松永さんは当時、衣装サポートとして参加していたという。「2010年末から、ホテル暮らしをしながら10日で準備をしました。マネージャーさんも2人しかいなかったので、わたしが点呼もしたり。AKB48の衣装担当で、当時NMBの衣装を制作してくださっていたオサレカンパニーの茅野しのぶさんに、衣装や現場について本当にいろいろと教えていただきました。『ヴァージニティー』と『妄想ガールフレンド』の衣装を作った時にしのぶさんが褒めてくださり、『これからNMBの衣装は任せるから』と言ってくださって…。この2着にはすごくすごく思い入れがあります」。そこから10年間、NMB48の衣装を作り続けている。

ここからは、そんな松永さんに、『ヴァージニティー』の衣装を初めて生で見られて大喜びのれいこちゃんによる質問タイム。

■さや姉がおんぶされて待機!?大雨の撮影にも耐えた4色衣装
前田「『ヴァージニティー』では、NMBの衣装で初めて色分けがされたそうですが、どういうふうに決まったんですか?」

松永「4thシングルの『ナギイチ』までは、オサレカンパニーの茅野しのぶさんがNMBの衣装も制作していたんです。この時に初めて、わたしにすべて任せていただいて。みるきーの『妄想ガールフレンド』や、りほちゃん(小谷里歩)の『難波鉄砲隊其之壱』でのセンターも決まって、メンバーのキャラが立ってきた時期だったので、それを生かしたくて色を分けることにしました」

前田「4色はメンバーに合わせて選んだんですか?」

松永「そうですね。『ヴァージニティー』というタイトルが色っぽいので、パープルのイメージがあったのと、当時さやかちゃんも紫色の服をよく着ていたりしてイメージが一致しました。そこにさやかちゃんのどこか儚げで切ない雰囲気を表現したくて黒を合わせてデザインさせてもらいました。みるきーやあかりちゃん(吉田朱里)はピンクと、はっきり個性が分かれていたので、それに合った色にしました」

ちなみに、2022年に開催された12周年ライブのために作られた全体衣装も、同じく紫、ピンク、水色、緑の4色展開。2018年に山本彩卒業後、初のテレビ生出演となったベストヒット歌謡祭で、こじりん(小嶋花梨)が初センターで歌唱した『絶滅黒髪少女』のレースアップ衣装と、『ヴァージニティー』のイメージを合わせて作り上げたそう。

前田「ミニハットなど、全員違う髪飾りもかわいいです」

松永「華やかにしたくて少し大きめにしました。当時、“センターといえば帽子”のイメージだったので、さやかちゃんの帽子は特に大きく、装飾も1番多くしています」

前田「『ヴァージニティー』の衣装、めちゃくちゃ好きなんです。『NAMBAZAAR』の白組はファッションがテーマだったので、『着たい』と希望したんですがダメでした(笑)」

松永「当時のオリジナルメンバーは中高生も多くてみんな小さかったから、衣装のサイズも全体的にかなり小さめの作りで…。だから今のメンバーだとなかなか着回しができないんですよね。XSとLくらいサイズ感が違うので」

前田「腰をポンポン叩く振り付けでスカートがふわっとするのが、かわいさが強調されていいなと思っていました」

松永「振付を見て衣装を作りたかったんだけどスケジュール的に難しいので、衣装に合わせて振りを考えてくださったのかなと思っています」

前田「MVで、さやかさんが靴を履いたままメンバーの上を歩いているのもすごいですよね。撮影の日、めっちゃ大雨だったんですよね?」

松永「そうそう。靴をきれいに拭いて、そのシーンの撮影ギリギリまでチーフマネージャーがさやかちゃんをおんぶして。終わったあとは泥だらけだったし大変だったけど、できあがったMVを見たら、雨に濡れているのがセクシーで世界観とマッチしていました。台風レベルの雨風のなか傘をさしながらのリップ撮影は辛かったけど、仕上がりを見て、奇跡は生まれるんだな、本当にやってよかったなって思いましたね」

■インパクト抜群の白ネコ姿は現役メンバーにも大人気!
続いて、『妄想ガールフレンド』の衣装の話題へ。

前田「さやかさんの“ロックニャン”とか、名前は最初からついていたんですか?」

松永「最初に決まっていたのは、みるきーのワルニャンだけ。それ以外も全員違う名前をつけて、合った衣装を作ってということでした。さやかちゃんならロックニャンで耳にはピアスを着けよう、あかりちゃんは足が長いからすらっとニャンだよね、と考えていきました。当時14歳だった城(城恵理子)は甘えん坊ニャンとして、大きなリボンを付けています」

前田「装飾がみんな違いますよね。みるさん(白間美瑠)のポップニャンはパンツの真ん中にネコが付いているのがすごい。みるさんが『その場所がいい』って言ったって、聞いたことがあります」

松永「『そこはないんじゃない?ちょっとずらそうよ』って何度も言ったけど、『ここがいい!』ってみるちゃんが子供っぽく言い張って、みるだし、それもいいかって(笑)。衝撃的だよね、ど真ん中って」

前田「りぽぽさん(小谷里歩)が1人ヘタレで、形が違うのも好きです」

松永「ヘタレキャラだったから、『お腹を出せないぞ』ということで、1人だけワンピーススタイルなんですよね」

前田「あのしっぽ、重量があって大きいですよね」

松永「ダンスの時に持てるぐらい大きいもので、と要望がありました」

前田「衣装に付いているのかと思ったら別で、変わった作りですね」

松永「マジックテープ付きのベルトで腰に巻き付けて、さらにその上にもこもこのパンツ、メンバーによってはさらにスカートを巻くから、着替えが大変。ライブの時はメンバーが構造を理解してくれないと早着替えが間に合わないから、みんなが覚えて着方を守ってくれて、出遅れもなくてすごく助かっています」

前田「この衣装はメンバーからも大人気で、ライブでの登場率が高いです。NMB48衣装総選挙でも5位でしたよ」

松永「この衣装の制作が決まった時、みるきーだけ白ネコかと思ったら、『全員で』と指示があってびっくりしました。真っ白のネコってアニメとか以外で実際それまで見かけたことなくて、そのままフラッと心斎橋にあったペットショップに見に行ったんです。そしたら、そこでなんと真っ白のスコティッシュフォールドの子ネコに出合い、運命を感じてそのまま連れて帰りました。昨年旅立ってしまったんですが、それまでずっとそばで寄り添っていてくれました。実はたまたま、その時の選抜メンバーの候補にあがっていた子とそのネコの誕生日が同じで。その子はぽやんとしたイメージだったので、シフォン素材の“シフォンニャン”というのを考えていました。使われなかったんですが、そこからとって、我が家のネコの名前は『シフォン』でした。そういう個人的な裏話もあって、この衣装がメンバーから好かれているのはとってもうれしいです」

前田「当時のメンバーに初めて衣装を見せた時の反応はどうでしたか?」

松永「みんな『かわいい』って言っていたけど、お腹を出すのに抵抗があった子もいましたね。実際に着たら自分たちがかわいいネコになっているのがわかって、喜んでいました」

前田「NMBのことをあんまり知らないという人からも、『妄想ガールフレンドの衣装紹介をTikTokでしてほしい』ってよくコメントで言われるんです。CMでも着ていたから認知度も高くて、かなり人気です」

松永「メンバーがまた、似合うんですよね!」

前田「NMBだからこそ着こなせる衣装ってかんじです!」

松永「露出度が高くても、いやらしくないんですよね。メンバーのキャラとNMBの雰囲気のおかげです」

質問したいことをスマホにメモして現れ、熱心に松永さんの話を聞いていたれいこちゃん。次回は、発売中の27thシングル『好きだ虫』で着用された衣装をご紹介。れいこちゃんの初選抜曲となった思い出の衣装は、一体どのように作られたのだろうか。お楽しみに!

取材・文=上田芽依
撮影=福羅広幸

【松永麻里 プロフィール】
東京生まれ。1995年に大妻女子大学短期大学部家政学科卒業。
奇抜な衣装とメイクでパフォーマンスユニットとして活動後、2010年12月よりNMB48の衣装を担当。現在は吉田朱里など、卒業したメンバーのスタイリングも行っている。

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