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「同じ曲が頭から離れず脳内ヘビロテ」「ただの3つの点が顔に見えてくる」誰もが経験するアノ現象には名前がある!

  • 2023年2月13日
  • Walkerplus

こんにちは。クイズを愛する2児のサラリーマンけんたろ(@kenlife202010)です。クイズ好きが高じて、日本語や雑学に興味を持つようになり、Twitterではクイズを中心に言葉の知識や雑学ネタを発信しています。

こちらでは「言葉にまつわる知識」をテーマに、よくある日本語の間違い、実は知らない身近なモノの名前、漢字、社会人としての言葉、言葉の雑学などをお伝えしていきます。

今回は「アノ現象の名前」です。

日常生活を送っていると、あるあるだけど自分では説明できないような現象が起こります。たとえば、テスト前の大事な時なのに部屋の掃除がしたくなったり、ある人の職業や顔は思い出せるのに名前だけは思い出せなかったり、着信がないのに携帯が振動しているように感じたり、年齢を重ねるごとに1年の流れるスピードがどんどん早く感じたり、といった経験はないでしょうか?

今回はそんな誰しもが経験したことがあるような現象だけど名前を知らなかった「アノ現象」を由来や原因と共にいくつか取り上げてみました。是非自分に起きている現象を客観的に捉えてみましょう。

セルフハンディキャッピング:
テスト前で勉強しなければいけないのに漫画を読んだり部屋を掃除したくなったりと、他のことがやりたくなる現象です。失敗した時に自分が傷つかないように、自分への言い訳をあらかじめ用意しておこうという心理が働きます。これは成功しても失敗しても自分が傷つくことは防ぐことができるため、人はセルフハンディキャッピングに走りやすいです。またセルフハンディキャッピングには「獲得的」と「主張的」があり、先に述べたように何か別の行動をしてしまうことを「獲得的」、「今日は体調が悪くて」などのように言い訳をあらかじめ自分で言うことを「主張的」と言います。

イヤーワーム現象:
ある曲のワンフレーズがずっと頭から離れず脳内ヘビロテしている現象です。イヤーワームの語源はドイツ語でハサミムシを意味する「オーアヴルム(Ohrwurm)」から来ており、ハサミムシは耳の中に棲み付くという迷信から来ています。英語でもear(耳)+worm(虫)となるので同じような意味を表現しています。またこの現象は「ディラン効果」とも言われ、ボブ・ディランの曲が頭から離れないメロディ代表であるからという説もあります。この現象を軽減する方法の1つとして「ガムを噛む」があるので、なってしまった人は是非お試しを。

ベイカーベイカーパラドクス:
相手の顔や職業などは思い出すことができるのに名前が思い出せない現象です。早押しクイズをしているとよく起こります。相手がパン職人(ベイカー)だということは思い出せるのに、ベイカーという名前が思い出せないというジョークからきた言葉。原因については、顔などの映像情報は記憶に残りやすいのに対し、名前などの言語情報は記憶に残りにくいためと考えられています。言語機能は前頭葉に存在しますが、前頭葉は年齢を重ねるほどに衰えるため、高齢になるとこの現象が起きやすくなります。また似たような心理現象で、「TOT現象」があります。これは名前が出てきそうで出てこない現象で、「Tip of The Tongue(舌先)」の頭文字から来ており、まさに「舌先まで出かかっているのに出ていこない!」という意味です。

ゲシュタルト崩壊:
同じ文字を見続けると見慣れているはずの文字なのに違和感を覚え、バラバラに切り離されたものに感じる現象です。ゲシュタルトとはドイツ語で「形態」や「パターン」を意味する言葉で、ゲシュタルト心理学という分野があります。このゲシュタルト心理学は情報をひとつのまとまりとして捉えることを重視したもので、漢字や音楽などがいい例です。

アイスクリーム頭痛:
アイスクリームやかき氷など冷たいものを急いで食べたりすると頭がキーンと痛くなる現象です。最近まではこれが医学的正式名称でもありましたが、2013年に公開された『国際頭痛分類』第3版では「寒冷刺激による頭痛」という名称に変更されました。この原因については主に2つ説があり、1つは喉にある三叉神経があまりの冷たさを「痛み」と勘違いして脳に伝えてしまう説。もう1つは冷たいもので急激に低下した口内温度を上昇させるため、口から脳に通じる血管が拡張することで一時的な炎症が発生し、痛みが起きるという説です。アイスクリーム頭痛を避けるには口内温度が少しずつ下がるように急がず食べるか、すぐに温かいものを口に入れるかが良さそうです。

青木まりこ現象:
書店に行くとなぜかトイレに行きたくなる現象です。名前の由来はこのあるあるネタが書評専門誌『本の雑誌』の読者欄に掲載されたことがきっかけで、このネタを投稿したのが青木まりこさんでした。本人もまさか自分の名前が現象名に使われるなんてビックリですよね。この現象の理由については、本のインクの匂いが誘発させる、トイレがない書店が多いため強迫観念からトイレに行きたくなるなどさまざま推測されていますが、未だ原因は判明していません。

クロノスタシス:
アナログ時計をふと見た時に一瞬秒針が止まっているように見えたり、1秒を長く感じたりする現象です。実は人間の眼球は常に細かく動いており、この眼球運動を「サッカード」と言います。これを聞くと視覚情報がブレブレになってしまうのではと疑問が生じるかと思いますが、脳は視線が移動している時の視覚情報を省略し移動後の情報で補うという処理をしているためそのようなことは起きません。ただそのため視線を移動させた後の情報が長く感じられるという錯覚を生じるようになります。

シミュラクラ現象:
逆三角形の配置で並ぶ3点が顔に見えてくる現象です。「シミュラクル(ム)」とは英語で「像」「幻影」「偽物」といった意味です。顔を持つ生物のほとんどは2つの目とその下に1つの口で配置されていることから、顔を認識するために人間の脳にプログラミングされています。また、逆三角形の3点だけでなく、壁の染みや雲の形を自分の知っているものに当てはめてしまう現象を「パレイドリア現象」と言います。オバケを見たなどの話の大半はこれだったりするとかしないとか。

ファントム・バイブレーション・シンドローム:
実際には振動していないのにポケットやカバンに入れた携帯が振動しているような錯覚のことで、特に電話待ちの時などには神経質になってより感じやすい現象です。これは着信をバイブレーション(振動)に設定し何度もそれを経験していると、脳が学習し振動に対して反応するようになるためです。パブロフの犬に近い現象です。あまりにこの現象が起きる方は神経質になり過ぎているので、一度携帯から距離を置いた方がいいかもしれません。

エコーチェンバー現象:
SNSなど自分と同じ意見の人がいるコミュニティにいると反対意見も少なくなり自分たちの意見が正しいと強く思うようになる現象です。閉じられた空間であらゆる方向から自分の声が返ってくる設計のことを「エコーチェンバー」と言い、自分の声が反響するように狭いコミュニティ内で同じような意見が返ってくることからこの名前が現象名になっています。安心できて楽しいですが危険な状態であることも肝に銘じたいですね。

ジャーキング:
ウトウトしている時に突然身体の一部がビクッとなる現象です。授業中や電車通学している時はよくなっていました。医学的には入眠時に発生する筋肉の収縮の一種で、無理な姿勢でいる時や精神的なストレス・疲労があると起きやすいそうです。この原因は脳がまだ完全に眠っていない状態の時に体や心が疲れていることで脳が混乱し、間違って筋肉を収縮させる信号を送ってしまうためとされています。リラックスした姿勢で寝るのが一番。リラックスした姿勢でもよく起こるのであれば一度診察してもらった方がいいかもしれません。

ジャネーの法則:
子供の頃に感じた1年より大人になってからの1年の方が短く感じる現象です。これはフランスの哲学者ポール・ジャネが提唱したことに由来します。原因としては子供の頃より刺激が少なくなり、単調な日々になっているからという説があります。この法則によると、時間の心理的長さは年齢に反比例するとされており、例えば5歳であれば1/5(人生の20%)に対し、50歳であれば1/50(人生の2%)となります。つまり50歳は1年の経過を5歳より10倍早く感じてしまうのです。Twitterで発信活動やいろいろ挑戦し出してから時間の進みは遅くなったような気がします。

いかがだったでしょうか?一度は経験したことがあるものばかりだったのではないでしょうか?

人によっては「自分はテスト前だというのに何故テスト勉強に集中できないんだろう」「名前が出てこない・・ボケてきてるのかも・・」と自己嫌悪に陥ってしまう人もいるかもしれません。ですが誰にでも当てはまる心理現象や医学的なものだったと知れば、捉え方が少し変わるのではないでしょうか。いくつか対抗策も挙げましたが、自分ではどうしようもできないものもあるので、苦しむくらい困っている現象がある時は周りの人や医療機関に相談してみましょう。

まだ世の中解明されていないことだらけですが、現象に注目し名前がつけられているのは興味深いですよね。この図解で紹介したもの以外にもたくさんの「アノ現象」が日常には潜んでいますので、是非探してみてください。

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