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磯村勇斗「芝居をすることへの違和感はなくなった」阿部寛との共演や俳優業の魅力を語る

  • 2022年8月26日
  • Walkerplus

2022年8月26日(金)公開の阿部寛主演映画『異動辞令は音楽隊!』に、阿部演じる昔気質の刑事・成瀬司の後輩刑事・坂本祥太として出演している磯村勇斗。捜査一課から警察音楽隊に異動となった成瀬が葛藤や音楽隊メンバーとの確執を経て、職務にやりがいを見出し変わっていく姿を描いた本作で、成瀬の元バディを演じる磯村は重要な役どころを務める。そんな磯村に、2度目となる阿部との共演や俳優としての今の自身について、またプライベートに関する話題についても語ってもらった。

■脚本を読んで「この先どうするんだ、という感じはわからなくはない」
――最初に脚本を読んだ時の感想を教えてください。

【磯村勇斗】まずは音楽隊というテーマがすごくおもしろいですし、30年も現場に立って刑事をしていた成瀬が55歳になって新たな人生を始めるという、その姿にとても勇気をもらえると感じました。今までずっとやってきたことをやめて新しいものに取り組むというのは結構勇気もいるし、恐怖心もあるけれど、そこに立ち向かっていく姿というのがすごく背中を押してくれる作品だと思います。

――過去のインタビューで、「早く何とかしたいという反骨精神にあふれていた下積み時代に、バイト先の人たちに応援してもらっていた」というお話を拝見しました。成瀬と磯村さんでは年齢が違いますが、音楽隊の仲間に支えられていく成瀬と、過去のご自身が重なる部分もあったんじゃないかと思ったのですが。

【磯村勇斗】そうですね、自分を投影するまではいかないですけど「この先どうするんだ」という感じは僕もわからなくはないな、と。自分にもそういうことがあったから、脚本を読んで刺さるところがあったのかもしれないです。やっぱり、誰しも支えがないと生きていけないと思うんですよね。自分自身もそうですし、人がひとりで生きていくのは大変なことだと思うので、誰かのちょっとした愛情で人は変われるものなんだと思います。

――成瀬を演じる阿部寛さんとは、ドラマ「まだ結婚できない男」以来の共演になりますね。

【磯村勇斗】2度目の共演はすごくうれしかったです。今回はバディものということで阿部さんとの呼吸も大事だと思っていました。だから「お久しぶりです」から入れて、いい距離感で撮影を始められたのも良かったと思います。

――現場ではどんなお話をされたんですか?

【磯村勇斗】生い立ちというか、どういう経緯で芝居を始めたのかとか、そういうお話を。阿部さんは若い人と共演することも多いので、若い世代が俳優という仕事にどう向き合っているのかに興味があったみたいです。

「仮面ライダーをやったヤツと共演することが多いんだよなぁ」とか阿部さんが話を振ってくださったりして、「あ〜、そうですよね。僕もやってました(笑)」みたいな、ライトな感じでお話をしました。

――成瀬は劇中でドラムを演奏しますが、磯村さんも以前ドラマーの役をやっていましたよね。楽器についてのお話などはされたんですか?

【磯村勇斗】ドラムの難しさ、大変さはすごくわかります、みたいな話をしましたね。阿部さんも「クランクイン前からドラムの練習をしていて、大変なんだよ」とおっしゃっていて。現場でも頭を抱えている姿は見かけましたけど、でも弱音を吐くというよりかは楽しんでいらっしゃるように感じました。

■俳優という仕事はたくさんの出会いが魅力
――坂本は成瀬と関わる中で刑事として一皮むけたところがありますが、この現場で俳優として阿部さんから学んだことはありますか?

【磯村勇斗】ご一緒するシーンも多かったんですが、何でも優しく受け入れてくださる方。内田英治監督から「次、こうしよう」「こうやってみよう」と坂本の演技プランの提案があって、二人の掛け合いを何度も撮ることになっても、阿部さんは当たり前に受け入れてくださるんです。それがありがたかったですし、僕の芝居が変われば1回1回それに合わせた返しをしてくださって。それは阿部さんからしたら当たり前なのかもしれないですが、その思いを大切にしたいなと思いましたし、自分も当たり前のようにそういうことができる俳優になっていきたいなと、身が引き締まりました。

――成瀬は音楽を実際にやっていくうちに、そのパワーに魅了されていきます。そこで、磯村さんが長く続けてきたからこそ感じた、俳優という仕事の魅力があれば教えてください。

【磯村勇斗】出会いの多い仕事というのが、すごく魅力的です。まず、自分以外の人物を知ることができる、職業を知ることができる役との出合い。それに、現場に行けば、俳優の先輩やスタッフさんがいて、それぞれが持っている技術や昔の話について聞くことができますし。作品ごとに新たな出会いがあって、学ぶことや初めて知ることがたくさんあるのが、この仕事のおもしろさだと思っています。

――今年公開の出演映画は、本作を含めて7本。まさにブレイクされていると思うのですが、今の気持ちはいかがですか?

【磯村勇斗】いろいろな監督の素敵な作品に出合うことが多くなってきて。そういう作品に携わらせてもらうことにやりがいを感じますし、成長できる場なので、ありがたいことです。

――作品によっては新しい事を求められることもあると思いますが、さまざまな現場でプレッシャーを感じたりすることはないですか?

【磯村勇斗】昔は名前付きの役をいただくと「セリフがあるな〜」と緊張することもやっぱりありましたけど、今は特に感じなくなりました。いろいろな作品の現場を経験させてもらって、自分が撮影現場にいることや、カメラの前に立って芝居をすることへの違和感がなくなってきたんじゃないかなと思います。

■地元・沼津は自然に囲まれつつも都会の暮らしができる場所
――現場で先輩という立場になることも増えてきたのでは?

【磯村勇斗】先輩になるというのは、なんかこっぱずかしいですよね。ずっと先輩についていく後輩でいたいなと思ってしまいますし、自分が後輩にどういう風に接しているかというのは、ちょっと想像できないです(笑)。先輩って呼ばれる事はありますけど、「おう、飲みに行くぞ!」みたいに声をかけるような存在はいないので、それくらい愛せる弟的な人ができた時にどう接するのかというのは、僕自身が気になります(笑)。

――ちなみに兄貴分はいらっしゃるんですか?

【磯村勇斗】僕にとっての兄貴分は綾野剛さんです。すごく慕っていますし、俳優として学ぶこともたくさんあります。

――プライベートでは魚を捌いている時が一番没頭できる時間ということですが、魚を捌くようになったのは静岡県沼津のご出身というのが関係しているんですか?

【磯村勇斗】地元にいた時は、釣りも捌くのもやってこなかったんです。でも「港町出身だからできるでしょ?」って言われると、それが悔しくて。じゃあ今からやってみよう、と思ったのがきっかけです。いつか船舶免許を取って、自分で釣った魚を捌きたいですね。

――では最後に、地元でおすすめのおでかけスポットについて教えてください。

【磯村勇斗】静岡はどこに行っても楽しい、いいところですよ。特に沼津は、初めて来たスタッフさん達からよく「ここに住もうかな」って言われます。空気がおいしくて、水も澄んでいるし、海と富士山もあって、自然に囲まれつつも都会の暮らしができる場所です。沼津港には水族館もありますし、おいしい魚も食べられるので、まずは一度遊びに来て、楽しく過ごしていただきたいです。

スタイリスト=笠井時夢 
ヘアメイク=佐藤友勝
撮影=後藤薫
取材・文=大谷和美

衣装=ジャケット(8万5800円)、パンツ(4万6200円)、シューズ(5万600円)※ともにアナーキスト テイラー/ハンクス ストア、カットソー(1万6500円)マイン/マインコデックス、ブーツ(4万5100円)ヨーク/ヘムトPR

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